2012年5月30日水曜日

2012鯖街道ウルトラマラソン(その3)

2012鯖街道ウルトラマラソンつづきです。その1 その2

2012年5月20日 36㎞地点/76km


次の関門は通過できたとして、その次の関門が果たして間に合うのか。平地だったらある程度見通しがつきますが、険しい山道もある中で、無事たどりつけるか不安がよぎります。

京都市の看板が見え、いよいよ京都に入りました。

ほどなく、38.6㎞川合の関門閉鎖地点に。
時計や看板などありませんが、多くのスタッフが待ち構えているので、閉鎖地点だと気づきます。
5時間10分、閉鎖20分前にかろうじて通過です。
距離的には、残り半分を切りました。制限時間までは6時間50分です。

ここから再び、上り坂が始まりました。


広めの道路を上りきると、今坂峠の看板、意外と簡単に2つ目の峠を上り切れたなと思ったのですが、そうではないことに後で気づかされます。


下りと上りを繰り返して、41kmの5番目の久多エイドに到着しました。ここではおにぎりがあり、小休憩をする人もいます。ちょっと時間を気にしながら、それでも少し休みをとって、後半にのぞみました。



再び、山の中の非舗装の道、石、岩が多く、足場を気にしながら進みました。上り坂が続き、歩きに。それでも、ここからは、抜かれるよりも、抜くことが多くなり、悪いペースではないと思い、安心し始めます。

つづら折りの山道がまた始まり、ひたすら繰り返される上り坂、片側は険しい崖になっている道、「江戸時代の人は、よくこの道で、鯖を運んでいたな」と歩いていてふと、そんなことを思いました。

ようやく第2の峠、オグロ坂峠(44.7㎞、標高870m)を超えました。




 


このあたりは登山客も増えて、道もいくつか分かれていて、道を間違わないように気をつけながら下って、46.8キロの八丁平エイドに到着しました。残り30キロを切りましたが、まだまだ先は長いです。

ここでは、甘い冷たいドリンクの「冷やしあめ」が名物ということで飲んで、次の坂に向けて英気を養いました。


 

しばらく、また下り坂が続き、ペースを上げて、前のランナーを抜きつつ、調子があがってきました。
52キロ、7番目の大見エイドに到着。順位は挽回したと思うのですが、エイドのコーラは売り切れ、やはり順番的には後ろから数えた方が早そうです。

 

この後は、再び、最後の3番目の峠、杉峠に向けて、登っていきます。今までより緩やかですが、それほど走れず、歩きが多くなっています。

この日は、UTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)153km、野辺山ウルトラマラソン100kmが行われていました。どちらも鯖街道よりも険しい高低差でかつ長い距離で格闘中の時間、その2つの大会のきつさに比べたら、楽なはずと思って、最後、踏ん張って、登っていきました。



そして、56.8キロ、杉峠の第8エイドに8時間41分で到着。標高850m、ここからは、ほとんど下りです。名物の豆腐ソーメンを食べて、次の関門閉鎖時間を確認、7キロ1時間30分以内なので、何とかなりそうです。


ここからは、舗装路を一気にブレーキをかけずに駆け下っていきます。結構長く続きますが、トレランシューズなので、スピードは出ませんが、足への負担は抑えられている感じです。

徐々に交通量が増えて、家も増えてきて、京都らしい街並みになってきました。
63.6キロの鞍馬エイドに到着、関門閉鎖まで38分、間に合いました。

(間に合わないと、自腹で鞍馬駅から出町柳駅まで叡山電車に乗ります。410円)



観光客に応援されながら、まだゴールではないですが福井から京都まで辿り着いたと実感しました。
しかし、まだ、レースは終わっていません。残り12キロちょっと、もう一頑張りが必要です。
再び、走りはじめました。

追い越された路線バスの行き先が「出町柳」と書かれていて、ゴールが近いそんな気持ちになってきました。

かなりペースが落ちてきましたが、10番目の市原エイド(66.7キロ)に到着、ここも関門閉鎖時間が10時間30分と設定されていましたが、30分前の10時間で無事通過しました。あと10キロを2時間以内で走れば完走です。

ここで名物のマーマレードたっぷりのクラッカーを食べて、ラストに備えました。




ここから、もうないと思っていた上り坂に苦戦しながら、ゆっくりとしたペースで走っていきました。
そして、ついに、賀茂川の河川敷にコースが入って行きました。

賀茂川(鴨川)沿いを走るのは、2005年のサンタクロースマラソン以来7年ぶり、久しぶりに戻ってきました。

(※賀茂川と高野川が合流して鴨川になるので、今回走ったコースは、ほぼ賀茂川沿いになります。サンタマラソンは丸太町なので鴨川沿い。(初めて知りました。))



71.5キロ、最後の西加茂橋南エイドに到着。ここまで来ると、ゴールは間近なのですが、景色が単調なので、長く感じます。

温かいお茶を頂いて、ゴールを目指します。
京都マラソンは、全員注目して応援していたと思いますが、鯖街道を走るランナーも疎らなので、泥だらけ、汗だらけのランナーを奇異な眼差しで、河川敷きのカップルや家族等に見られています。

それでも、この大会を分かっていて応援してくれる人もたくさんいて、時折、飲み物も提供して下さる方もいて、ありがたく、コーラを頂きました。


 

そして、出雲路橋を渡って左岸に移動すると、ラスト1キロ、最後は京都マラソンと同じコースです。



ラスト200mを切ると、すでにゴールした人たちがたくさん応援してくれ、その中をゴール。
11時間15分。変化に富んだ76キロ、無事、京都まで到着できました。

前半は苦労しましたが、後半は踏ん張れました。




ゴール後は、荷物と参加賞の焼き鯖と大型バッグを受け取り、豚汁とドリンクも頂きました。
河川敷きの芝生に寝転んで休んだのが気持ちよかったです。

実は、小浜から京都までなので、オバマのマスクを持って走ろうかと当初考えていたのですが、過酷なコースで完走できないかもしれないと思い直前に断念して、ゴール後、かぶって記念撮影だけしました。



近くの銭湯の無料入浴のサービスがついていたので、ゴール後、銭湯で汗を流しました。
そして、京都の地下鉄に乗ったことがなかったので、今出川駅から京都駅まで乗って、その日の夜の新幹線で焼鯖の匂いを漂わせたバッグと一緒に東京に戻りました。



翌朝の金環日食も、全身筋肉痛の中、眠い目をこすりながら、自宅でちゃんと見ました。
(サングラス2つとゴーグル1つ重ねて。。。)


鯖街道ウルトラマラソン、手作りの大会で、ここまでのおもてなし、素晴らしかったです。


初めて福井を走ったので、残る都道府県は、兵庫、佐賀、高知の3県になりました。
兵庫は、神戸マラソン抽選待ちです。

2012年5月29日火曜日

2012鯖街道ウルトラマラソン(その2)


つづきです。


2012年5月20日(日)午前6時

午前6時商店街をスタートして、しばらくは小浜市内の平坦なコースです。
早朝の風は涼しく、山用の重装備でしたが気持ちよく走って行きました。

東小浜駅を通過すると、コースは徐々に上り坂になっていきました。



神輿が運ばれるところに遭遇し、賑やかな集落から田園地帯へと徐々に道が狭くなるといよいよ、山道になって、坂が急になってきました。





9.4キロ、最初の下根来(しもねごり)エイドに到着しました。バナナ、パン、オレンジ 等など、最初から充実したエイドです。

壁面に描かれた鯖の絵が印象的で、いよいよ、これからが本格的なレースが始まる。そんな気持ちになりました。





10キロを1時間8分で通過、やはり重い靴で、いつもより時間がかかっているようです。

まだ、舗装道路が続きますが、車はほとんど通ることもなくなってきて、細い坂道を登って、15キロの第2エイド 上根来(かみねごり)エイドに到着しました。

この時点でしっかりコースを把握しきれていなかったですが、間もなく始まるであろう登山道に向けて給水・給食をしっかりとって心の準備をしました。




しばらくすると、非舗装の道になり、山に囲まれ、登山道が始まりそうです。

そしてついに、登山道へ、峠までひたすら登ります。
それでも、走らなくていい分、気持ちは楽な面もありますが、つづら折りの道、何度も何度も続き、頂上が見えないと気持ちが萎えてきます。

ボランティアの方が坂の途中で、順位をカウントしてくれていて238番と言われました。
半分より後ろの方の順番で、「できればもっと頑張りたいけど今日はこんなもんかな」。とそう思いながら、再び上って行きました。



一旦、林道に戻って、多少下って、再び、登山道へ、18.5キロの看板に、ゴールまでまだ60キロ近くあるのかと思うと、気分が暗くなりかけながら、登っていきました。



そして、ついに1番目の峠、「根来坂峠」875mに到達。福井県と滋賀県の県境です。
しばらく尾根を縦走、雄大な風景が広がります。登りの疲れも吹き飛ぶます。





しばらく下ったあと、再び、舗装道路へ、山の中は、エイドがないので、ハイドレーションの中のドリンクと、エイドで頂いた水を入れたペットボトル、双方とも飲みながら、下っていきました。

するとようやく1軒の小屋、第3エイドの百里小屋エイド(27km)に到着しました。
ここでは、ソーメンが用意されているのですが、ちょうど茹でている途中ということで、トイレなどで数分時間をつぶしてから、ソーメンを頂きました。

ウルトラのときのそーめんは格別に美味しいです。次のエイドまで頑張れそうです。

その後は、ほぼ平坦で多少下っている道路が続きます。
マイペースで走っているつもりでしたが、次々とランナーに抜かれていきます。




感覚的には、そんなに遅いつもりはないのですが、普段、ウルトラマラソンでも超軽量シューズで走っているので、重いトレランシューズでは、以前走った、白馬トレイルランと同様に、平地の舗装道路で、スピードが上がらず極端にペースダウンしているようです。

ただ、無理にここでペースを上げても、まだフルマラソン以上の距離が残っているので、ここはひたすら我慢しました。

次のエイドまで9キロあるので大変だなと思っていたら、かわいい姉妹が黙々と切り盛りする私設エイドが途中にあり、二人が天使のように感じ、感謝をしながら、次のエイドを目指しました。


抜かされ続けていると、気持ちも沈みがち、お腹もすきはじめ、昨日コンビニで買った菓子パンをリュックからとりだし、食べながら歩いていると、4番目の山本商店エイド(36キロ)に到着しました。

初めてなので自分のペースが速いのか遅いのかあまり分かっていなかったのですが、現時点で4時間50分が経過、ふと看板を見たら、2.6キロ先の関門閉鎖が11時30分(5時間30分)と書いてあり、残り40分しかないことに気づき、完走が危ないのではと思い始め、慌てて走り始めました。


つづく





2012年5月28日月曜日

2012鯖街道ウルトラマラソン (その1)


鯖街道ウルトラマラソン 2012年5月20日(日)76km


「京は遠ても十八里」と唄われた福井県小浜市から京都市左京区(出町柳)までの鯖街道。
サバに塩をまぶして夜も寝ないで京都まで運ぶとちょうど良い味になることから、運ぶ人達は「京は遠ても十八里」と唄いながら寝ずに歩き通したと言われている。

そんな歴史ある道を使った大会が鯖街道ウルトラマラソン(76キロ)です。

5月19日(土)昼
新幹線で米原に行き、そこから北陸本線に乗り換えて敦賀駅へ、20分ほど乗り換え時間があって、市内をちょっとだけ散策した後、小浜線に乗り換えて1時間ほど、小浜駅に到着したのが17時前、東京から5時間の長旅でした。





小浜駅から歩いて数分で商店街へ、翌日のスタート地点には鯖街道ウルトラマラソンスタートの横断幕がすでに準備されていました。その隣りのホテルせくみ屋で、ナンバーカードを受け取りました。ホテル内には、オバマ大統領とミシェル夫人が、米国よりも?市内ではオバマ人気が続いており、街のいたるところに、オバマ大統領関連のグッズで溢れていました。




日本海を望むホテルにチェックインして、海沿いの小浜市内を地元名物のカレー焼、さば竹輪などつまみながら散策しました。
昔ながらの商店街と漁港があり、海辺は静かで、釣りを楽しんでいる人もいました。海の向こう側は、大飯原子力発電所が立地する大島半島が見えます。




若狭フィッシャーマンズワーフ内の市場で、ヤリイカの寿司を購入して、お茶・味噌汁が無料のイートインコーナーで食べました。実はヤリイカは小浜産ですが、有名な焼き鯖寿司はノルウェー産だということがここでわかりました。





鯖の水揚げ量が減ったこともありますが、ノルウェー産は脂肪分が豊富で身も大きいため、焼き鯖には適しているとのことです。小浜産の鯖は、押し寿司や酢味噌和えに使われているそうです。そんな色々な発見をしつつ、宿に戻って、早めに就寝しました。

5月20日(日) 午前4時起床

朝食は昨日買った焼鯖寿司、意外とボリュームがあることに驚きましたが、76キロの長丁場の前なので、全部食べました。天気はうす曇り、思ったほど暑くなそうです。今回は、非舗装のトレイルコースが中盤続くので、トレランシューズ、ハイドレーションとトレイルランニングのスタイルで準備しました。






5時過ぎに宿を出て、フィッシャーマンズワーフ横の台場浜公園で、京都のゴール行き荷物をトラックに預けました。
そこから、スタート地点となるいずみ町商店街のアーケードに向かいました。

この大会は
小浜から京都までの76kmのAコース(通称:全鯖)の他に、
途中の梅ノ木から京都までの42㎞のBコース(通称:半鯖)があり、半鯖の選手は京都集合で、荷物を置いて、(走る格好で)スタート地点にバスで連れいってもらいます。ちなみに参加賞の焼き鯖は、Bコースでも半鯖ではなく全鯖もらえます。

約400人、スタート地点に集まりましたが、首都圏のウルトラマラソンに比べると、明らかに百戦錬磨の方々たちばかりのような感じに見えました。

当初はあくまで3週間後の飛騨高山ウルトラマラソン(100km)に向けての足慣らしで考えていましたが、76キロで制限12時間は余裕かなと思ったのですが、800m級の峠を3つ超えるコースで、何時間でゴールできるか予想がつきません。若干、不安に感じながら午前6時にレースがスタートしました。

つづく

鯖街道ウルトラマラソン 京都トライアスロンクラブ
http://www.ktc-kyoto.com/


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マラソンの記録

【フルマラソン】

◆男子世界記録 2時間00分35秒 ケルビン・キプタム(ケニア) 2023年10月 シカゴマラソン (2分51秒5/km)

◆男子日本記録 2時間04分56秒 鈴木 健吾 2021年2月 びわ湖毎日マラソン(2分57秒7/km)

◆女子世界記録 2時間11分53秒 ティギスト・アセファ (エチオピア) 2023年9月 ベルリンマラソン (3分08秒/km)

◆女子日本記録 2時間19分12秒 野口 みずき 2005年9月 ベルリンマラソン (3分18秒/km)

◆自己記録  3時間37分32秒 2013年12月 青島太平洋マラソン(5分09秒/km)


【100km】

◆男子世界記録 6時間09分14秒 風見 尚 (日本)  2018年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分42秒/km)

◆女子世界記録 6時間33分11秒 安部 友恵 (日本) 2000年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分56秒/km)

◆自己記録 12時間13分41秒  2009年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン(7分20秒/km)

記録

【ハーフマラソン】
◆男子世界記録
 57分31秒 ジェイコブ・キプリモ(ウガンダ) 2021年11月(ポルトガル・リスボン)(2分43秒6/km)
◆男子日本記録 1時間00分00秒 小椋 裕介 2020年2月(香川丸亀国際ハーフ)(2分50秒6/km)
◆女子世界記録 1時間02分52秒 レテセンベト・ギデイ(エチオピア)2021年10月スペイン・バレンシアハーフマラソン (2:58.8/km)
◆女子日本記録 1時間06分38秒 新谷仁美 2020年1月 米国・ヒューストンハーフマラソン (3:09.5/km)
◆自己記録  1時間37分12秒 2013年11月 江東シーサイドマラソン(4分36秒/km)