2012年6月19日火曜日

2012飛騨高山ウルトラマラソン(その4:レース編3)

飛騨高山ウルトラマラソン
その1その2その3

つづきです。(今回が完結編です。)

2012年6月10日 飛騨高山ウルトラマラソン 54.4キロ地点

後半戦がスタート。レース前はここから70キロ手前までの上りの区間が一番のポイントになると思い、ここを凌げば、先が見えてくるので、気合いを入れて走りました。

細かなアップダウンの後、72kmの部と100㎞の部の分岐点へ。72kmの部はゴール地点に向かいますが、100㎞の部は約28㎞周回して、また戻ってきます。



時刻は正午を過ぎて、晴れて、日差しが眩しくなってきました。足もいっぱいいっぱいの状態になってきました。59.2キロの大萱公民館のエイドを前に、自販機で冷たいお茶を購入、気分転換を心がけますが、どうも動きが鈍いままです。



60キロ地点を通過、7時間24分で設定よりまだ23分早いタイムですが、10キロ近くほぼ上りが続く道、今までのような感じでは走れなくなっていて、踏ん張りどころとなってきました。



だんだん傾斜がきつくなってきて、周りのランナーにつられて歩くことに、20キロの坂よりも傾斜はきつくないはずなのに、60キロを過ぎると走れなくなる、非常にもどかしい気持ちになりながら、歩いていました。途中、私設エイドでコーラを提供してくれる人がいて、リフレッシュできましたが、きつい坂が続きます。






68.2キロのエイドでようやく、長い坂も一段落して、70キロ地点を通過、8時間58分、設定タイムからの余裕は13分ほどに短くなりましたが、あと30キロを5時間で行けば完走、このあたりから、頭の中で、キロ何分で行けば完走できるのか、計算しながら走っていました。



下りの道に入りましたが、得意の下りなのに下れない。足だけでなく背筋も腹筋も全身が痛く、恐る恐る下っている感じで、なかなかスピードに乗ってきません。



73キロを過ぎて、ようやく平らな道になり、逆に楽になった感じがしました。コースは標高が下がってのどかな田園地帯に入り、このあたりから、前後のランナーの間隔が開くようになりました。





コースは再び、国道158号線に入り、緩やかに下る道になりました。70数キロぶりのコンビニが登場、ビールを買って飲みながら走っているランナーを見かけましたが、我慢して、ゆっくりのスピードで走り続けました。



80キロ地点は、10時間20分で通過、今思えば、20キロを2時間40分で行けば13時間切りですが、この時点では、20キロを3時間40分以内で走ることを考えていました。



82.5キロ、再び、丹生川支所に戻ってきました。ここの関門閉鎖時間11時間30分より50分ほど余裕を持って通過しました。夕方4時前ですが、まだまだ応援がいっぱいでした。焼きそばを食べ、ゴール予想時刻を両親にメール(実家から車でゴール地点にかけつける予定)して、走り始めました。



炭酸系の飲み物が欲しくなって自販機で、300ccほどの栄養系ドリンク剤を購入、蓋を開けようとするが、なかなか開きません。握力が落ちているのか、ただ開けにくい形状のビンなのか、数分格闘の後、大会のコース誘導の方にお願いしたら、いとも簡単に開けてしまいました。(どうも握力が低下していたようです。)


そんなロスがありつつ、85キロを11時間6分で通過、あと15キロ、もうなんとかなりそうです。そう思った矢先、壁のような坂が待ち構えていました。もう笑うしかない、辺りのランナーも、そんな感じでした。もう走れないので、割り切って歩きました。登山しているような感覚の坂で、なかなか頂上までいきませんが、2キロちょっと歩いてようやく、お寺らしき建物が見えてきました。



そして、石段が登場、前日の説明会で聞いてはいましたが、実際、目の当たりにすると、やっぱり笑うしかなく、大会関係者も意地悪だなと感じました。




石段の上では、ボランティアの方が応援、何とか50段歩いて上がりました。お参りをして、87キロの境内のエイドへ、のどを潤しました。



ここから下りかと思ったら、しばらくまた上り坂があって、その後、下り坂へ、大きな山場を越えて、思いっきり下りたいのですが、まったく下れません。下りってこんなに苦しかったのか、そう思いながら、かろうじて走っていました。



90キロ地点、11時間58分で通過、この5キロは51分56秒で、この区間が最も遅いタイムでした。ようやく長い下りが終わり、ゴールへ向けてのカウントダウンが始まります。



日も西に沈みかけ、影が長くなってきて、高山の田園風景が美しくなってきました。残り距離が短くなり、力も多少湧き出て、ペースが上がって行きました。上り坂もたまに出てきますが、今までの坂と比べれば、平らに感じます。



95キロを通過、13時間半は切れそうです。もう歩いても大丈夫ですが、早くゴールしたいので走りました。住宅も増えて、応援も熱心にしてくれています。



残り2キロ、ゴールの体育館らしき建物が見えてきました。今までの疲れも心地よく感じてきます。




そしてラスト500メートル、完走を祝福した横断幕やプラカードやボードが見えます。ラスト数百メートルは、ウルトラマラソンの醍醐味です。そして、沿道の人とハイタッチしながら、ゴールの国府B&G体育館へ、13時間23分、目標タイムより10分ほど速くゴールできました。

ゴールシーン





高山市全体で、この大会を盛り上げて頂いたので、本当にきついコースですが、楽しく走ることができました。

帰りは、両親の車で、奥飛騨温泉の平湯温泉の日帰り温泉のひらゆの森で、入浴した後、その日のうちに、安曇野の実家に宿泊して、月曜日に、東京に戻りました。
http://www.hirayunomori.co.jp/

この大会が始まる前から、野辺山、飛騨高山、兵庫の村岡、どの100キロが一番ハードか論争?が起きていましたが、今大会の100キロの部の完走率は、78.8%(出走735人、完走579人)でした。ちなみに今年の野辺山が67.4%(出走1,645人、完走1,108人)でした。

村岡は走ったことがないので分かりませんが、野辺山と比較すると、70キロ以降に上り坂が多い野辺山と比べると、飛騨高山は千光寺の坂以外は下り基調で、思ったよりタイムが出やすかったのではないかと思います。

ただし、今回の飛騨高山は比較的涼しい中、行われましたので、30度を超す気温になった場合、相当難易度が増すコースになると思います。今でも少々意地悪なコースですが、高山市は日本一広い市、3000m級の山もあり、難しくしようと思えば、いくらでも難しいコースが作れる場所であり、今後が楽しいような、怖いような気がします。

個人的には、当初の目標タイムをクリアできたのですが、積極的な前半に比べて、後半が消極的すぎた感じで、昨年の富士五湖、一昨年の野辺山に比べると、ゴール後のダメージが少なく、出し切った感がありませんでした。コースを警戒しすぎた感じもありますが、もっと最後までがむしゃらに走るレースを心がけたいと思います。



参加賞:Tシャツ、完走メダル、入浴割引券、レーズン、絵はがき 等


2012飛騨高山ウルトラマラソン

ラップ (目標ラップ)  / 通過タイム 目標タイム (目標との差)
5km 35:54 (32:00)  /  0:35:54 / 0:32:00 (+03:54)
10km 32:20 (33:00)  /  1:08:14 / 1:05:00 (+03:14)
15km 32:50 (37:00)  /  1:41:04 / 1:42:00 (-00:56)
20km 33:09 (35:00)  /  2:14:13 / 2:17:00 (-02:47)
25km 33:29 (40:00)  /  2:47:42 / 2:57:00 (-09:18)
30km 44:47 (41:00)  /  3:32:29 / 3:38:00 (-05:31)
35km 37:04 (42:00)  /  4:09:33 / 4:20:00 (-10:27)
40km 35:42 (43:00)  /  4:45:15 / 5:03:00 (-17:45)
45km 30:54 (35:00)  /  5:16:09 / 5:38:00 (-21:51)
50km 38:36 (37:00)  /  5:54:45 / 6:15:00 (-20:15)

55km 47:53 (50:00)  /  6:42:38 / 7:05:00 (-22:22)
60km 41:31 (42:00)  /  7:24:09 / 7:47:00 (-22:51)
65km 43:47 (42:00)  /  8:07:56 / 8:29:00 (-21:04)
70km 50:33 (42:00)  /  8:58:29 / 9:11:00 (-12:31)
75km 41:07 (40:00)  /  9:39:36 / 9:51:00 (-11:24)
80km 40:41 (40:00)  /  10:20:17 /  10:31:00 (-10:43)
85km 46:38 (42:00)  /  11:06:55 /  11:13:00 (-06:05)
90km 51:56 (50:00)  /  11:58:51 /  12:03:00 (-04:09)
95km 43:02 (45:00)  /  12:41:53 /  12:48:00 (-06:07)
100km 41:08 (45:00)  /  13:23:01  /  13:33:00 (-09:59)

20km 2:14:13
40km 4:45:15 (2:31:02)
60km 7:24:08 (2:38:53)
80km 10:20:17 (2:56:09)
100km13:23:01 (3:02:44)

2012年6月18日月曜日

2012飛騨高山ウルトラマラソン(その3:レース編2)

つづきです。

2012年6月10日(日)

19.1kmの道の駅のエイドを過ぎると、再び、長く続く上り坂に入りました。
20キロ地点は2時間14分で通過。設定より3分ほど早いタイムに。


ここからの上り坂は、第一の山場だと思い、少し頑張って走ることにし、前をゆくランナーを一人、また、一人と抜いていきました。



22.5キロのエイドを過ぎると、傾斜がきつくなってきましたが、まだ前半ということで余裕を持って走れました。
25キロまでの5キロは33分で走破、40分を想定していたのですが、いいリズムで進みました。



27.5キロのカクレハキャンプ場のエイドを超えると、上り坂がさらに急になりました。ここまで勢いよく登ってきたので、ここからは無理せず歩き中心に変更しました。



このあたりから雨が本格的に降り始めました。暑いよりはいいのですが、靴ずれを起こしやすくなるので、靴を濡らさないよう気をつけながら進みました。

30キロまでの5キロは44分、少しかかりましたが、力を貯めることができました。30.5キロの駄吉林道峠で険しい斜度の坂は終わり、ここから最高地点までは、緩やかな下りと上り坂が続きます。まず、2.5キロの非舗装の道、下りですが、雨が降って、足場が多少不安定で、細心の注意を払って下っていきました。

その後は、舗装路の上り中心の道、最高地点が近づいてきたので、多少の上りでも、苦にせず走ることができました。

35キロまでの5キロを37分で通過、そして、標高1345m、このコースの最高地点の飛騨高山スキー場が見えてきました。ここの第2関門は4時間20分、閉鎖時間より1時間25分、設定タイムより14分早く到達しました。思ったより苦しまず、前半の山場をクリアしました。


ここからは、しばらく下り坂が続きます。ここで少し休めるかと思ったのですが、常にスピードが出ている状態、勢いよく下ったら100キロまで耐えられるか、そんな不安が生じ、ついつい、スピードを緩めてしまって、後ろから抜かされがちになっていました。



42.195キロ地点は、4時間58分で通過、完走に向けてはすこし貯金ができましたが、まだ大きな坂が2つ残されているので、安心はできません。



下りきって、45キロを通過。40~45キロは30分54秒、この区間が最速ラップでした。雨もすっかりやんで、太陽も時折顔を出し始め、暑くなりはじめてきました。


46.6キロの岩滝公民館を過ぎると、トンネル、そして、上り坂、休ませてくれません。


50キロの中間点は、5時間54分で通過、あと8時間で50キロ行けば完走、平地であれば、何とかなりそうですが、坂が待ち構えているコース、まだ不安を持ちながら走っていました。


コースはトンネルをくぐり、高山と地元の松本方面を結ぶ国道158号線へ、ペースは落ち気味になってきましたが、まもなく、荷物受け渡しの大休憩ポイント(第3関門)が近づいてきました。


丹生川支所付近では、また大声援が聞こえてきました。地元の小学生も一生懸命応援してくれています。
54.4キロの関門は6時間24分で通過、設定より23分、関門閉鎖より1時間51分早く通過しましたが、ここは82.5キロで再び戻ってくるところで、ちょうど先頭ランナーにここで追い抜かれました。



ここのポイントでは、この後の上り坂に備えて、痛みを抑えるコールドスプレーやジェルを足や背中に入念につけて、だんごやトマトシャーベットやおにぎりなどエネルギー補給もしっかりしました。




つづく

飛騨高山ウルトラマラソン ホームページ
http://www.r-wellness.com/hida100/2012hida.html

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マラソンの記録

【フルマラソン】

◆男子世界記録 2時間00分35秒 ケルビン・キプタム(ケニア) 2023年10月 シカゴマラソン (2分51秒5/km)

◆男子日本記録 2時間04分56秒 鈴木 健吾 2021年2月 びわ湖毎日マラソン(2分57秒7/km)

◆女子世界記録 2時間11分53秒 ティギスト・アセファ (エチオピア) 2023年9月 ベルリンマラソン (3分08秒/km)

◆女子日本記録 2時間19分12秒 野口 みずき 2005年9月 ベルリンマラソン (3分18秒/km)

◆自己記録  3時間37分32秒 2013年12月 青島太平洋マラソン(5分09秒/km)


【100km】

◆男子世界記録 6時間09分14秒 風見 尚 (日本)  2018年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分42秒/km)

◆女子世界記録 6時間33分11秒 安部 友恵 (日本) 2000年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分56秒/km)

◆自己記録 12時間13分41秒  2009年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン(7分20秒/km)

記録

【ハーフマラソン】
◆男子世界記録
 57分31秒 ジェイコブ・キプリモ(ウガンダ) 2021年11月(ポルトガル・リスボン)(2分43秒6/km)
◆男子日本記録 1時間00分00秒 小椋 裕介 2020年2月(香川丸亀国際ハーフ)(2分50秒6/km)
◆女子世界記録 1時間02分52秒 レテセンベト・ギデイ(エチオピア)2021年10月スペイン・バレンシアハーフマラソン (2:58.8/km)
◆女子日本記録 1時間06分38秒 新谷仁美 2020年1月 米国・ヒューストンハーフマラソン (3:09.5/km)
◆自己記録  1時間37分12秒 2013年11月 江東シーサイドマラソン(4分36秒/km)