2015年4月18日土曜日

誤った記事「横浜マラソン186m距離不足 千葉マラソンにも計測ミスあった」

週刊ポスト2015年4月24日号
「横浜マラソン186m距離不足 千葉マラソンにも計測ミスあった」
http://www.news-postseven.com/archives/20150416_316165.html

の中、以下の記載がありました。
" 高速道路使用コースの“先輩”でもある千葉県のちばアクアラインマラソンの準備室担当者に尋ねると、なんと同マラソンの第1回大会(2012年)にも“計測ミス”があったという。
 
「東京湾アクアラインも事前の通行止めはできませんので、大会前は地図上で距離を測って準備しました。当日の朝、自転車で計測すると、予定していた距離が実際よりも22メートル長かったことが判明したので、その分コースを短くしてから大会を開催しました」"

まず、日本陸上競技連盟の公認コースの基準は、誤差+0.1%まで認められています。
つまり、少しでも短いのは認められませんが、42.195m長くても、公認コースと認められていますので、22m長くても公認条件を満たしていますので、計測ミスではありません。

したがって、わざわざコースを短くして開催する必要はありません。

さらに、ちばアクアラインマラソンは、非公認コース、非公認大会であるため、距離がたとえ正確でなくても問題なく、元々記録は公認されず、大会として成立しています。

したがって、距離が長かろうと短かろうとフィニッシュ地点を変えることはなく、その分コースを短くしてから大会を開催しました という記載は虚偽になります。

ホームページでも22.78m長い42.21778kmで実施した旨が記載されています。


大会の実施結果-ちばアクアラインマラソン
日本陸上競技連盟の公式計測員による計測結果

****************
一般の人は、全ての大会が、42.195kmちょうどの距離でフルマラソンが行われていると思われているので、このような記事になると思うのですが、

そもそも、フルマラソンの公認コースでは 
ぴったり 42.195km のコースは存在しません。
少しでも短いと分かると公認されないため、多少長めに(上限42.195m)設定してあります。

例えるなら、30cmものさしで、カーブの多い100mの距離を、10人が測って、皆が同じ距離になるとは限りません。計測はとても困難な作業で、当然計測には誤差がつきものです。

しかし、誤差を認めず、上記のように計測ミスとしてしまうのは、とても怖い話のような気がします。

● 42.195kmにこだわり過ぎる日本人
● ミスに厳しい日本人
● ミスを隠したがる日本人

許容されるミスとそうでないミスをしっかり区別しないと、とても生きづらい世の中になってしまいます。


横浜マラソン 距離不足問題に対する誤解

ちばアクアラインマラソン 公式

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

「非公認大会、非公認コースなので、そもそも距離が不正確であっても問題がなく」というはちがうと思います。非公認であることが不正確な距離計測の免罪符にはなりませんよね。陸連による計測や公認が行われていないというだけで、大会主催者には大会要項等に記載した距離設定に対する責任があるはずです。ちばアクアラインマラソンのように、非公認コースであっても、大会要項に「マラソン(42.195 km)」と小数点3桁まで細かく書かれていたら、その精度での距離設定が行われているものと受け取る人が出てきて当然だと思います。マラソンを新たに始める人がどんどん増えている現状を踏まえると、このあたりの認識の齟齬には十分な配慮が必要ではないでしょうか。ちなみに、トレイルなどでは「約○○km(距離は整備の状況で多少の変更あり )」などという記載を見かけます。ロードでも厳密な距離設定は不可能ですから、なるべく誤解を生まないようにして、その範囲で責任を果たすことが大事だと思います。

Tomoyuki Maruyama さんのコメント...

コメントありがとうございます。

ちばアクアラインマラソンは、(ランナー向けのサービスでもあったのか)日本陸上競技連盟の公式計測員による計測を行い、正確な距離が分かりましたが、

通常、非公認コースでは、公式計測員による計測はしません。
したがって、非公認コースでは、距離が正確か不正確を知るすべがありません。

厳密さを求められて、しっかりコースを設定しても、公式計測員による計測以外、その距離が正確か証明することができません。

予算のない、非公認コースの大会に、メートル単位の厳密さを求める必要はないと思っています。

しかし、最近では、GPS時計で、一般ランナーも距離をある程度正確に把握できるようになりました。

非公認大会でも、明らかに距離が違うと感じる大会は少なくなり、かなり距離が正確になってきていると感じており、あまり不便さを感じません。

ご指摘の通り、42.195km と書かれていると厳密に計測していると錯覚する人も多いと思いますので、
公認コースは、42.195km と
非公認コースは、約42.195km など、距離の示し方など改善することは必要かなと思います。

匿名 さんのコメント...

虚偽(真実でないと知りながら真実のようにみせること。つまり嘘つきということ)というのは言い過ぎかと。

Tomoyuki Maruyama さんのコメント...

大会当日にコースを短くした事実がないのに、マラソン準備室担当者がわざわざ嘘をついて、「短くして大会を開催しました」と言うはずがないので、記者が意図的に相手が発言していないことまで、相手の発言として書いているので、虚偽と表現させていただきましたが、今後、表現は気をつけます。

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マラソンの記録

【フルマラソン】

◆男子世界記録 2時間00分35秒 ケルビン・キプタム(ケニア) 2023年10月 シカゴマラソン (2分51秒5/km)

◆男子日本記録 2時間04分56秒 鈴木 健吾 2021年2月 びわ湖毎日マラソン(2分57秒7/km)

◆女子世界記録 2時間11分53秒 ティギスト・アセファ (エチオピア) 2023年9月 ベルリンマラソン (3分08秒/km)

◆女子日本記録 2時間19分12秒 野口 みずき 2005年9月 ベルリンマラソン (3分18秒/km)

◆自己記録  3時間37分32秒 2013年12月 青島太平洋マラソン(5分09秒/km)


【100km】

◆男子世界記録 6時間09分14秒 風見 尚 (日本)  2018年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分42秒/km)

◆女子世界記録 6時間33分11秒 安部 友恵 (日本) 2000年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分56秒/km)

◆自己記録 12時間13分41秒  2009年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン(7分20秒/km)

記録

【ハーフマラソン】
◆男子世界記録
 57分31秒 ジェイコブ・キプリモ(ウガンダ) 2021年11月(ポルトガル・リスボン)(2分43秒6/km)
◆男子日本記録 1時間00分00秒 小椋 裕介 2020年2月(香川丸亀国際ハーフ)(2分50秒6/km)
◆女子世界記録 1時間02分52秒 レテセンベト・ギデイ(エチオピア)2021年10月スペイン・バレンシアハーフマラソン (2:58.8/km)
◆女子日本記録 1時間06分38秒 新谷仁美 2020年1月 米国・ヒューストンハーフマラソン (3:09.5/km)
◆自己記録  1時間37分12秒 2013年11月 江東シーサイドマラソン(4分36秒/km)