2015年9月2日水曜日

100マイル・ベルリン2015(ベルリンの壁一周マラソン) その2

第4回100マイル・ベルリン ベルリンの壁一周マラソン 161.85km
Der Mauerweglauf / 100MeilenBerlin / The Berlin Wall Race 2015
2015年8月15日-16日
http://100meilen.de/

つづきです。

2015年8月15日(土)大会当日

午前3時過ぎ起床 スタートは午前6時、会場まで徒歩圏内なので、もう少し寝ていてもよかったのですが、早く目覚めてしまいました。それでも、しっかり眠ることはできました。

朝食は、会場内でもサービスがあるようですが、どのくらい食べられるか分からなかったので、日本から用意したカステラやどら焼きなどを食べました。

その後、途中3カ所に荷物の受け渡しポイントがあるので、ヘッドランプと蛍光ジャケット、ジェル、電池等の食べ物等どの地点に何を入れるか、悩みながら、それぞれランドリーバックに荷物を入れて準備をしました。

普段から常備しているので問題なかったですが、
日本では必ずついている、ナンバーカードにつける「安全ピン」はなく、ランドリーバックにつける番号のついた荷札は、穴のあいた紙を通す形で、針金などなく、ゴミを出さない工夫がされているなと思いました。

午前5時10分過ぎ
まだまだ外は暗い中、ホテルを出て、会場に向かいました。



この時間は涼しいというよりは寒いくらいで、走るにはちょうどよい気候です。

ほどなくして、スタート・ゴールの運動公園(Friedrich-Ludwig-Jahn-Sportpark)の陸上競技場(サブトラック)に到着。
取り急ぎ、34km、71km、103km地点に置く荷物を預けました。


パンやコーヒーなどがセットになった朝食サービスに向かいましたが、かなりの長い行列ができていて、スタートまでに間に合いそうもなかったので諦めました。


ゴール時の荷物は、途中の場所で預ける荷物とは異なり、2階の更衣室に各自、吊るす形になっていましたので、空いている場所に吊るしました。


スタート前のトイレは、世界共通、かなり混んでいましたが、小用については、ガラガラだったので、待ち時間なくすませることができました。

スタート時間が近くなり、スタート地点へ。
この大会、日本人のエントリーは2名のみ。もう1人の日本人の方がいらしたので、話しかけてみました。モロッコ在住で、私より一回り若い方で、100マイルの距離は初めてらしく、少し不安そうな感じでした。


この大会は、午前6時スタート(制限30時間)の個人の部の他に、
午前7時スタート(制限27時間)の駅伝(2人、4人、10人以上)の部があり、駅伝参加のランナーも応援にかけつけて、いつのまにか陸上競技場内は、応援でいっぱいでした。


空も完全に明るくなり、ランナーも整列して、
2015年8月15日午前6時、いよいよベルリンの壁一周の旅が始まりました。
(ベルリンの壁一周の前に、陸上トラック一周して外に出なければなりませんが。。)


161km以上の距離は、過去2回、土佐乃国横断遠足(2014年2015年)242kmで経験していて、第1回目の時は、160kmぐらいでちょうど30時間ぐらいでした。土佐乃国は途中、コンビニ休憩や信号待ちなど通常レースより時間がかかるので、その時のペース配分でいけば、27時間くらいがゴールの目安になるかと考えました。

万が一うまく調子に乗れば24時間以内、(この大会24時間以内でゴールすると別途表彰対象になります。)、調子が悪ければ30時間ぎりぎりになるかなと思いつつも、海外でのウルトラマラソン、想定外の事が起きることも考えられるので、何でも受け入れる覚悟で臨みました。

特に、超長距離のウルトラマラソンの完走は、走力よりも、レース中しっかり食べることができるかが重要となってくると思っています。

その中で懸念材料は、暑さと硬水の給水だと思っていました。特に、水については、硬水の沖縄・古宇利島マジックアワーRUN in今帰仁村エコアイランド宮古島マラソンでは、吐き気をもよおし、体調不良に陥り、大失速してしまいました。

ヨーロッパの水はほぼ硬水。欧州で開かれているウルトラマラソンで、有力日本人ランナーが苦戦しているのも、硬水に合わないのもちょっと関係しているのではないかと思っています。

事前に日本では、スーパーで売られているドイツの硬水のミネラルウォーターを飲んでみたり、ベルリンに来てからもドイツの水を飲んで、慣らしてみたり、どこまで成果があるか分かりませんが、やってみました。


どのようなレースになるか、期待と不安が渦巻く中、たくさんの声援に見送られて、競技場、そして、運動公園を後にしました。


コース地図は事前に渡されていますが、ベルリンの土地勘は当然ないので、とにかく前半は、前を行くランナーについていくだけです。


キロ7分ペースでゆったり走り、左側にはドイツの新幹線ICEも運良く見ることができました。


ベルリンの壁らしきものを左に見ながら、道は、林道になっていきました。



道路を横切る時は、都会の雰囲気ですが、渡った後は、すぐに森の中の舗装をされた道を走るといった感じです。


一応、昨年の大会の動画を少しチェックしていたのですが、その時は、ずっと都会の道を走っていた印象があったので、何か動画と雰囲気が違うなとその時は思っていました。実は、昨年は、逆回りのコースを走っていたことが分かり納得しました。


いろいろ未知な部分が多い中、6.9kmの最初のエイド(VP1)に到着しました。
この大会は、途中5〜8km間隔で全27カ所のエイドがありますが、真夏のため500ml以上の飲料の持参も義務づけられています。


コースの距離表示は、エイド毎で、5km、10km毎の表示はありません。

したがってこの距離表示の看板(次のエイドまでの距離とゴールまでの距離も表示)を27個通過すればゴールです。

ここの給水は、ミネラルウォーターと炭酸水のみで、とりあえず、飲んでも異変なく順調に通過できました。

そして、エイドの出口に計測地点があり、通過すると、右手に巻いた計測チップの赤い点滅して音がします。日本では経験したことがなかったので、この光って音がする仕組みが不思議で面白かったです。




再び木々に覆われた道が続き、たまに、住宅街、再び、林道といった感じにコースが続きます。朝方で涼しく、車も通らない道なので、とても走りやすいです。





だんだん景色が、北海道のように雄大な平原が見えるようになってきました。都会の中を走るイメージがありましたが、想像以上に、雄大な自然の中を走るマラソンのようです。


スタートから1時間半、12.6kmの第2エイドに到着しました。


ここでは、水、炭酸水の他に、コーラ、りんごの炭酸ジュースのアプフェルショーレ (Apfelschorle) がありました。
アプフェルショーレ は、初めて飲んだのですが、後味が自分にとっては微妙でした。今後のエイドでどうするか悩みつつ、とりあえず、コーラがあれば、コーラ優先にとろうと思いました。


再び、森の中の道をしばらく走り、久しぶりに住宅街の中に出てきて、18.2kmの第3エイドに到着。



ここで、いよいよ食べ物も登場しました。スイカなどの果物、パン、チーズ、ハム、お菓子など結構充実していて、ほっとしました。


スタートから2時間15分、ここではしっかり食べて、次に向けて走り出しました。



このあたりで、1時間後にスタートした駅伝の部のランナーに徐々に抜かれ始めました。

当然、日本のように自販機やコンビニはないのですが、このあたりは、マクドナルドなど飲食店があり、そこに立ち寄るランナーも見かけました。


住宅街の静かな道を通り、再び、林道の中を走り抜けると、23kmの第4エイド。


ルートから少し離れて東屋のような建物の中には、きれいに盛りつけられた食べ物がいっぱいありました。


これを見るとテンションがあがります。
スイカは日本とは切り方が違いますが、味は変わらず、美味しかったです。

日本ではなかなか出てこないハム、チーズは、ここぞとばかりに、よく食べました。

再び、走りはじめると、モニュメントがありました。


ベルリンの壁の犠牲者を悼むもので、写真入りで記されています。


ベルリンの壁は、大昔ではなく、たった26年前まで存在していたことに、改めて実感させられました。

そして、25km手前に、Marienetta Jirkowskyの記念碑のポイントにきました。

この大会は、ベルリンの壁で命を落とされた方を毎年1人ずつ記念・フィーチャーして、完走メダルやナンバーカードにその方の写真や名前が刻まれているのですが、今年は、Marienetta Jirkowskyさん(享年18歳)です。


ここでは、前日に渡されたカードにメッセージを書いて飾るということが行われました。


悲劇を繰り返さないように平和への願いをメッセージとして書かさせて頂きました。



立派な住宅街を抜けると、再び、林道に入りました。


午前9時を過ぎて、徐々に暑くなり、そろそろ疲労がたまってきているなと感じました。


アスファルトの道の段差につまずき、あわや転倒するところを何とか耐えるなど、徐々に危なそうな雰囲気を感じつつ、29.9kmの第5エイドを通過。


水は若干のどがつまる感じで、多少息苦しさを感じつつも、体調の方は、吐き気などはなく、まだ順調です。


そして、ベルリンはほとんど平坦ですが、多少アップダウンのある道では、どんどんランナーを追い越していきました。

(ドイツは平坦な地域が多いので、ドイツ人は、上り坂は苦手な方が多いようです。※個人の感想です。)


道路を横断して歩道へ、
日本でのくせが抜けず、車は右側通行なのに、左を見て確認してしまいます。


優雅な川で、船に乗って、レジャーを楽しむ人を横目に、
33.9kmの第6エイド。最初のドロップバック地点に到着しました。



ここまで、4時間20分。朝の時間帯だったこともあり、キロ7分台のペースでまずまず予定通り。先も長いので、ここではしっかり栄養補給をして、座って20分ほど休息をとることにしました。



しかし、ここからが厳しいレースの始まりでした。

⇒その3へつづく


100マイル・ベルリン2015 動画

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マラソンの記録

【フルマラソン】

◆男子世界記録 2時間00分35秒 ケルビン・キプタム(ケニア) 2023年10月 シカゴマラソン (2分51秒5/km)

◆男子日本記録 2時間04分56秒 鈴木 健吾 2021年2月 びわ湖毎日マラソン(2分57秒7/km)

◆女子世界記録 2時間11分53秒 ティギスト・アセファ (エチオピア) 2023年9月 ベルリンマラソン (3分08秒/km)

◆女子日本記録 2時間19分12秒 野口 みずき 2005年9月 ベルリンマラソン (3分18秒/km)

◆自己記録  3時間37分32秒 2013年12月 青島太平洋マラソン(5分09秒/km)


【100km】

◆男子世界記録 6時間09分14秒 風見 尚 (日本)  2018年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分42秒/km)

◆女子世界記録 6時間33分11秒 安部 友恵 (日本) 2000年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分56秒/km)

◆自己記録 12時間13分41秒  2009年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン(7分20秒/km)

記録

【ハーフマラソン】
◆男子世界記録
 57分31秒 ジェイコブ・キプリモ(ウガンダ) 2021年11月(ポルトガル・リスボン)(2分43秒6/km)
◆男子日本記録 1時間00分00秒 小椋 裕介 2020年2月(香川丸亀国際ハーフ)(2分50秒6/km)
◆女子世界記録 1時間02分52秒 レテセンベト・ギデイ(エチオピア)2021年10月スペイン・バレンシアハーフマラソン (2:58.8/km)
◆女子日本記録 1時間06分38秒 新谷仁美 2020年1月 米国・ヒューストンハーフマラソン (3:09.5/km)
◆自己記録  1時間37分12秒 2013年11月 江東シーサイドマラソン(4分36秒/km)