先日、次回の横浜マラソンの大会概要が発表になりました。 http://bit.ly/1giTelB
2016年3月13日開催の第2回大会でも、首都高速道路を利用するコースで行われます。
距離不足の原因ともなった首都高速道路を何故利用するのか、というネットの書き込みをよく見ます。
こちらの記事でも、その点について、指摘しています。
しかし、制限時間6時間半の横浜マラソンは首都高速道路を走らなければ、実現しなかったと思っています。
では、なぜ横浜マラソンは、高速道路を利用するのか、整理したいと思います。
まず、マラソンコースは、どのように作られるのでしょうか。
各大会の目的で若干異なりますが、以下のようなポイントになると思います。
マラソンコースを選定のポイント
(1)観光スポットを巡るコースにしたい
(2)沿道の応援が多いコースにしたい
(3)平坦で走りやすいコースにしたい
(4)制限時間は長くしたい
(5)交通規制の時間、場所はできるだけ少なくしたい
こうのようなコースができるのは、理想ですが、
一方で、マラソンコースの選定に際して、制約条件がいくつかあります。
マラソンコースの制約条件
(1)スタート、ゴール地点の広い敷地の確保
(更衣、荷物預け、トイレ、出店等、参加者が不自由なく利用できる。)
(2)スタート、ゴール地点へのアクセスの確保
(広い駐車場がある、又は駅から近い、駐車場や駅が遠い場合はシャトルバスの確保)
(3)交通渋滞の影響を最小限にとどめたい
(交通量が少ないコース、通行止めしても迂回路が確保できるコース)
(4)警備、交通規制、ボランティアのスタッフの人数は最小限にとどめたい
(折り返しコース、交差点が少ないコース)
広い場所の大会会場を確保して、交通渋滞への配慮、スタッフの人数(予算)を考えた上で、マラソン大会のコースを決めることになります。
横浜マラソンの場合
それでは、横浜マラソンは、どうなるでしょうか。
1)大会会場の選定
参加者2万5000人が収容できる会場で、アクセスもしやすい場所を横浜で考えると、
第1回大会会場のパシフィコ横浜以外では、新横浜の日産スタジアムが候補として考えられます。屋根もあり、雨も凌げ、敷地も広く、マラソン大会会場として、申し分のない施設といえます。
次に (1) 日産スタジアム スタート・ゴール を考えてみます。
日産スタジアム発着の場合、前述したとおり、みなとみらい方面を走るコースはとれません。そして、新横浜近辺は、住宅地が多く、交通量もありコース取りが難しいです。強いてあげれば、鶴見川沿いのジョギングコースを利用すれば、制限時間6時間以上の大会が開けそうですが、道幅が狭く2万5000人が走ることは困難です。また、海が見えない横浜マラソンでは、魅力は半減すると思います。
そうなると、必然的に、パシフィコ横浜発着のコースが選ばれることになります。
3)首都高速道路を走る必然性
パシフィコ横浜発着で、観光地を巡り、応援があり、交通規制を短く、渋滞の影響を最小限にとどめたいという条件で、コースを考えることになります。
横浜国際女子駅伝では、赤レンガ倉庫や横浜スタジアム発着で、八景島折り返し
横浜国際女子マラソンでは、山下公園発着で、新杉田、みなとみらい折り返し
のコースでした。
迂回路があり、観光地を巡るコースとなると、この2つの大会に近いコース設定となることが想定されます。
実際、横浜マラソンも南部市場まで、南下するコースとなりました。
しかし、そのまま、折り返しのコースとなると、山下ー本牧ー磯子ー杉田地区の一般道を長時間閉鎖することになり、大渋滞をもたらすことになります。
そのような状況の中で、復路を首都高速道路を利用する案が浮上したと思います。
実際、首都高速道路を利用することで、一般道の交通規制は、山下公園、みなとみらい地区以外は、午前の交通規制のみでよくなりました。
4)まとめ
東京マラソンが始まって以来、東京マラソン基準で他の大会でマラソンを見てしまっている傾向が見受けられます。
しかし、各都市で事情が異なるので、それぞれ独自なマラソン大会の道を考える必要があります。
横浜マラソンも、制限時間3時間半以内のエリートランナーの大会であれば、公認大会で高速道路を利用しないコースも考えられると思います。
しかし、横浜で制限時間6時間以上で、多くの方が参加できるフルマラソン大会を目指して、企画されたこの大会。ランナーはそのような事情を鑑みる必要があると思います。
2016年3月13日開催の第2回大会でも、首都高速道路を利用するコースで行われます。
距離不足の原因ともなった首都高速道路を何故利用するのか、というネットの書き込みをよく見ます。
こちらの記事でも、その点について、指摘しています。
しかし、制限時間6時間半の横浜マラソンは首都高速道路を走らなければ、実現しなかったと思っています。
では、なぜ横浜マラソンは、高速道路を利用するのか、整理したいと思います。
まず、マラソンコースは、どのように作られるのでしょうか。
各大会の目的で若干異なりますが、以下のようなポイントになると思います。
マラソンコースを選定のポイント
(1)観光スポットを巡るコースにしたい
(2)沿道の応援が多いコースにしたい
(3)平坦で走りやすいコースにしたい
(4)制限時間は長くしたい
(5)交通規制の時間、場所はできるだけ少なくしたい
こうのようなコースができるのは、理想ですが、
一方で、マラソンコースの選定に際して、制約条件がいくつかあります。
マラソンコースの制約条件
(1)スタート、ゴール地点の広い敷地の確保
(更衣、荷物預け、トイレ、出店等、参加者が不自由なく利用できる。)
(2)スタート、ゴール地点へのアクセスの確保
(広い駐車場がある、又は駅から近い、駐車場や駅が遠い場合はシャトルバスの確保)
(3)交通渋滞の影響を最小限にとどめたい
(交通量が少ないコース、通行止めしても迂回路が確保できるコース)
(4)警備、交通規制、ボランティアのスタッフの人数は最小限にとどめたい
(折り返しコース、交差点が少ないコース)
広い場所の大会会場を確保して、交通渋滞への配慮、スタッフの人数(予算)を考えた上で、マラソン大会のコースを決めることになります。
横浜マラソンの場合
それでは、横浜マラソンは、どうなるでしょうか。
1)大会会場の選定
参加者2万5000人が収容できる会場で、アクセスもしやすい場所を横浜で考えると、
第1回大会会場のパシフィコ横浜以外では、新横浜の日産スタジアムが候補として考えられます。屋根もあり、雨も凌げ、敷地も広く、マラソン大会会場として、申し分のない施設といえます。
日産スタジアム |
パシフィコ横浜 |
2)日産スタジアム発着のコースは難しい?
(1) 日産スタジアムスタート・ゴール
(2) 日産スタジアムスタート、パシフィコ横浜ゴール
(3) パシフィコ横浜スタート、日産スタジアムゴール
といったコースも考えられますが、なぜ選ばれなかったのでしょう。
まず、(2) (3)スタート、ゴールが日産スタジアムとパシフィコ横浜を結ぶワンウェーコースを考えてみます。
東京マラソン、京都マラソン、大阪マラソン、神戸マラソン 等、都市型マラソンでは、よくあるパターンではあります。
地図を見て分かる通り、国道1号線、国道15号線、県道13号線を横切らないとコースを作れないことになります。
箱根駅伝は、国道1号や15号線を利用しますが、交通規制時間も短く、全面通行止めではなく車線規制だけで、ランナーとランナーの間が空けば、途中、車を通行させることもできるので、コースとなっています。
しかし、市民マラソンの場合は、長時間通行止めにしなければいけないので、実現は不可能に近いといえます。
実際、今まで横浜では、横浜国際女子駅伝、横浜国際女子マラソンは開催されてきましたが、駅伝は2時間半程度、マラソンは3時間15分の制限時間が短く、交通規制の時間も限定的な大会でも、新横浜ーみなとみらいを走るコースは採用されていません。
次に (1) 日産スタジアム スタート・ゴール を考えてみます。
日産スタジアム発着の場合、前述したとおり、みなとみらい方面を走るコースはとれません。そして、新横浜近辺は、住宅地が多く、交通量もありコース取りが難しいです。強いてあげれば、鶴見川沿いのジョギングコースを利用すれば、制限時間6時間以上の大会が開けそうですが、道幅が狭く2万5000人が走ることは困難です。また、海が見えない横浜マラソンでは、魅力は半減すると思います。
そうなると、必然的に、パシフィコ横浜発着のコースが選ばれることになります。
3)首都高速道路を走る必然性
パシフィコ横浜発着で、観光地を巡り、応援があり、交通規制を短く、渋滞の影響を最小限にとどめたいという条件で、コースを考えることになります。
横浜国際女子駅伝では、赤レンガ倉庫や横浜スタジアム発着で、八景島折り返し
横浜国際女子マラソンでは、山下公園発着で、新杉田、みなとみらい折り返し
のコースでした。
迂回路があり、観光地を巡るコースとなると、この2つの大会に近いコース設定となることが想定されます。
実際、横浜マラソンも南部市場まで、南下するコースとなりました。
しかし、そのまま、折り返しのコースとなると、山下ー本牧ー磯子ー杉田地区の一般道を長時間閉鎖することになり、大渋滞をもたらすことになります。
そのような状況の中で、復路を首都高速道路を利用する案が浮上したと思います。
実際、首都高速道路を利用することで、一般道の交通規制は、山下公園、みなとみらい地区以外は、午前の交通規制のみでよくなりました。
さらに、単純に折り返しだと、高架下で単調なコースですが、高速道路の利用で、アップダウンがあるものの海が見えるコースとなりました。
(一般の応援がない分、大会側で応援団やラッキー給食を準備)
一方で、ほぼ一日有料道路を閉鎖することで、首都高速道路株式会社には、料金収入が入らず、損害が生じるので、主催者はその分を補償することが必要となりますので、参加料も通常の大会よりも高くなります。
日経ビジネスにおいても、事務局長も以下のように語られています。
「首都高をコースに選んだのは交通規制のしやすさが理由です。大都市のマラソンは交通への影響が大きいので、なるべく規制を少なくすることが求められます。高速道路なら車線の出入り口を数カ所、規制するだけで、長距離のコースを確保できます。(中略)
ですが、事前計測という点ではそれが課題となってしまいました。」
資料:敗軍の将、兵を語る〜期待のレース、距離が足らず 勝山秀男氏[横浜マラソン組織委員会事務局長]日経ビジネス 第1797号 2015.6.29
東京マラソンが始まって以来、東京マラソン基準で他の大会でマラソンを見てしまっている傾向が見受けられます。
しかし、各都市で事情が異なるので、それぞれ独自なマラソン大会の道を考える必要があります。
横浜マラソンも、制限時間3時間半以内のエリートランナーの大会であれば、公認大会で高速道路を利用しないコースも考えられると思います。
しかし、横浜で制限時間6時間以上で、多くの方が参加できるフルマラソン大会を目指して、企画されたこの大会。ランナーはそのような事情を鑑みる必要があると思います。
2015横浜マラソン 動画
横浜マラソン距離不足問題に対する誤解
2015横浜マラソン (レース編) http://bit.ly/1bhGtFc
2016横浜マラソン 第2回大会は3/13 非公認コースで開催 http://bit.ly/1giTelB
抽選大会のフルマラソン大会の申込者数の推移 http://bit.ly/1BE9JNQ
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