2014年1月30日木曜日

マラソン大会2015年問題を考える (金沢マラソンを通じて)

2015年に北陸新幹線開業を記念して2015年11月15日に開催される金沢マラソンで、こんな記事がありました。

3連泊なら無抽選 金沢マラソン、市長意向 (中日新聞 2014年1月18日)
http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20140118/CK2014011802000050.html

 金沢市の山野之義市長は17日、来年11月に開かれる金沢マラソンで出場者が県内で3連泊する場合、事前の抽選をせずに出場権を与えたいとの意向を明らかにした。
山野市長は「1万~1万2千人の出場枠に4万~5万人の応募があるだろう」と述べ、抽選が高倍率になるとの見通しを示した。また首都圏など遠方からの出場者は、大会の前後に2連泊する例が少なくないとの見方を示した。
 その上で「金沢に2泊してもらった後、和倉温泉や山中、山代温泉に泊まってもらえるといい。オール石川でマラソンを成功させたい」とし、遠方からの出場者に3連泊するよう働き掛ける方針を明らかにした。
 山野市長は金沢マラソンの開催表明以降、大手広告代理店や飲料会社などから多くの問い合わせがあったと説明。大会の開催により、宿泊や飲食、警備などで地元経済に大きな影響を及ぼすと述べた。


金沢マラソンは、第1回大会に向けて、開催の数年前から、長い準備期間を設けて、地元の女性ランナーと意見を聞きつつ、魅力的な大会を目指して取り組んでいます。 ⇒ 金沢マラソン概要

ただし、3連泊なら無抽選で出場権というのは、あまり効果的ではないと感じています。


3連泊する人は限定される

最近、ランナー人口は増加して、都心の大会はエントリー開始と同時に締め切られる大会が増えていますが、その理由としては、日帰りで参加できることが大きいからです。

そして、日帰りの壁を破って宿泊で参加するランナーも増えていますが、その場合は土日を利用して会社を休まずに参加するケースが大半です。 

さらに、1年のうち一度か二度、メインレースとしている大会は、金曜日か、月曜日会社を休んで2泊3日で、参加するというのが、多いと思われます。

したがって大会出場のため3連泊するランナーは、ホノルルや、北海道、沖縄など、遠方へ長期休暇をとって出場する場合を除くと、会社員であれば、ほとんどいないのが現状です。

唯一、定年退職して時間のあるシニア世代の方が、3連泊する可能性があると思いますが、「3連泊なら無抽選で出場権」という制度の場合は、旅行会社等を通じた「出場権付宿泊パック」(名古屋ウィメンズマラソンや北海道マラソン等で実施)での募集となると思いますが、その場合、通常より割高料金であったり、宿泊したいホテルのパックがなかったりで、購入してくれる方は、あまり多くないように思われます。

追記⇒ 最終的には2泊3日の出場権付ツアーが中心になりました。
http://www.nta.co.jp/sports/marathon/kokunai/kanazawa/


申込者数は減少傾向が始まっている。

また、朝日新聞でも、記事で取り上げられていましたが、今後、都市型フルマラソンの大会の新設ラッシュで、2015年11月には福岡(2014年~)、岡山、富山でも新たに行う予定です。

市民マラソン新設ラッシュ ランナーつなぎとめ懸命 (朝日新聞/2013.11.16)
http://www.asahi.com/articles/OSK201311150011.html


最近の抽選大会の申込者数(下段参照)は、東京マラソンで30万人、大阪14万人、神戸8万人、京都5万人、熊本1.9万人、北九州1.7万人で、大会数増加に伴い、高止まり(もしくは減少傾向)状況になってきています。

市長がいう4万~5万人という数字は、現実的ではなく、多くても2万人台(倍率2倍弱)になると想定されます。そうすると、3連泊してまで、無抽選で参加したい人がいるかとなると、そう多くないと思われます。

マラソン大会は継続することが大事

むしろ地元の経済効果を考えるのであれば、石川に3連泊すれば、2000円キャッシュバッグするとか、市内特産品プレゼント などの方が効果的だと思います。


そもそも北陸新幹線が開業して、東京‐金沢が2時間半で結ばれるので、このマラソン大会をきっかけに、金沢や石川県内に、マラソンに関係なく、1泊2日で頻繁に訪れてもらうことが大事になってくると思われます。 

マラソン大会の開催自体では、多額の開催経費がかかりますので、自治体の収支を考慮すると必ずしもプラスにはなりません。 

(同じ石川県の加賀温泉郷マラソンは、多額の赤字により今年の第2回大会は中止となりました。)

そのためには、地元への消費を拡大するために、毎年、毎年、継続開催して、人気のマラソン大会にして、大会を定着させて、新規の顧客、リピーターを獲得し、観光客数増やすことが大事になってきます。

その点で、気がかりなのは、以前、金沢城下町ハーフマラソンに参加したことがあるのですが、地元の方のマラソン大会への関心が薄く、沿道も静かで、ちょっと寂しい雰囲気を感じました。

地元の熱意を感じられる大会は人気の大会になります。 マラソンを走らない人が大会を楽しめると、盛り上がります。 (そういった意味で、地元参加枠は、応援する人を増やす面で大事だと思います。)

2005年 金沢城下町ハーフマラソン

富山マラソンとの連携も一つの方向性

それから、隣県の富山マラソンも同じ月に行われます。できれば、協力体制をとって、両方完走した人、富山・石川両県で宿泊した人は特典が得られるなど、大会同士で連携することで、ランナー確保する取り組みも必要になると感じますが、

先日の高校サッカー決勝 (星稜 対 富山第一)の監督のやり取りをみても、石川県と富山県の微妙な関係が垣間見られたので、実現は難しいかもしれませんが、大会の生き残りを掛けるためには、そういった取り組みも大事になってくると思います。



2015年10月末から11月にかけて予定されている
フルマラソン大会

※既存の大会は、例年の開催月・週 ※公認:公認コース

10月25日(日) 

大阪マラソン【大阪】(公認・制限7時間)
http://www.osaka-marathon.com

しまだ大井川マラソン【静岡】 (制限7時間)
http://www.shimada-marathon.jp/

柏崎マラソン【新潟】(公認・制限5時間)
http://www.kashiwazaki-run.net/

久米島マラソン【沖縄】(公認・制限7時間)
http://www.kumejima-marathon.com/index.html


11月1日(日) 

NEW
富山マラソン 【富山】 (公認・制限7時間)
http://www.toyama-brand.jp/TJN/?tid=103688

大阪・淀川市民マラソン【大阪】 (制限7時間20分) 
http://www.osaka42195.com/

湯のまち飯坂・茂庭っ湖マラソン 【福島】(公認・制限6時間)
http://iizaka.kilo.jp/

あいの土山マラソン【滋賀】 (公認・制限5時間) 
http://www.kouka.ne.jp/~w1074034/

下関海響マラソン【山口】 (公認・制限6時間) 
http://kaikyomarathon.jp/


11月3日(祝) 

湘南国際マラソン【神奈川】  (公認・制限6時間半) 2015年は12月6日(日)
http://www.shonan-kokusai.jp/

ぐんま県民マラソン 【群馬】(公認・制限6時間) 
ハーフからフルへ

http://www.kenmin-m.com/
http://www.jomo-news.co.jp/ns/4013977835656731/news.html


11月8日(日) 

2014年より NEW
福岡マラソン 【福岡】 (公認・制限7時間)
http://f-marathon.jp/

NEW
おかやまマラソン 【岡山】(公認・制限6時間)

いびがわマラソン【岐阜】(公認・制限5時間30分)
http://www.ibigawa-marathon.jp/index.htm


11月15日(日) 

NEW
金沢マラソン 【石川】(公認・制限7時間)
http://www.kanazawa-marathon.jp/

神戸マラソン【兵庫】(公認・制限7時間) or 22日?
http://www.kobe-marathon.net/

さいたま国際マラソン【埼玉】(公認・制限4時間)
http://saitama-international-marathon.jp/

くにさきとみくじマラソン【大分】(公認・制限6時間)2015年は第3週に変更
http://tomikuji.web.fc2.com/

榛名湖マラソン【群馬】(公認・制限6時間) →9月27日(日)
http://www.city.takasaki.gunma.jp/shisho/haruna/harunako-marathon.htm

天草マラソン【熊本】 (公認・制限7時間) or 22日?
http://hp.amakusa-web.jp/a0455/MyHp/Pub/

11月22日(日) 

つくばマラソン【茨城】 (公認・制限6時間)→11月22日(日)
http://www.tsukuba-marathon.com/

11月23日(祝) 

福知山マラソン【京都】(公認・制限6時間)
http://www.f-marathon.gr.jp/

大田原マラソン【栃木】(公認・制限4時間)
http://www.city.ohtawara.tochigi.jp/8,266,30,150.html


11月29日(日) 

富士山マラソン【山梨】 (公認・制限6時間)
http://www.fujisan-marathon.com/index.html

瀬戸内海タートル・フルマラソン【香川】 (制限5時間半)
http://www.e-marathon.jp/turtle/

 2015年5月〜12月のフルマラソン大会 http://bit.ly/1CLBQOs

主な抽選大会の申込者数
抽選大会のフルマラソン大会の申込者数の推移(〜2015.11) http://bit.ly/1BE9JNQ

東京マラソン
2007年 77,521人
2008年 130,062人
2009年 226,378人
2010年 272,134人
2011年 294,469人 
2012年 282,824人 (2012年から別途、チャリティ枠、プレミアム会員優先エントリー導入)
2013年  303,450人
2014年  302,442人

大阪マラソン
2011年 171,744人
2012年 145,254人
2013年 143,351人

神戸マラソン
2011年 65,934人
2012年 75,173人
2013年 80,416人

京都マラソン 
2012年 48,436人 
2013年 47,134人
2014年 53,281人 (開催を2月に変更)

熊本城マラソン
2012年 先着順
2013年 16,037人
2014年 19,456人

北九州マラソン
2014年 17,284人

愛媛マラソン
2014年 17,467件(重複含む)

高知龍馬マラソン
2014年 7,995人

名古屋ウィメンズマラソン
2014年 19,384人

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マラソンの記録

【フルマラソン】

◆男子世界記録 2時間00分35秒 ケルビン・キプタム(ケニア) 2023年10月 シカゴマラソン (2分51秒5/km)

◆男子日本記録 2時間04分56秒 鈴木 健吾 2021年2月 びわ湖毎日マラソン(2分57秒7/km)

◆女子世界記録 2時間11分53秒 ティギスト・アセファ (エチオピア) 2023年9月 ベルリンマラソン (3分08秒/km)

◆女子日本記録 2時間19分12秒 野口 みずき 2005年9月 ベルリンマラソン (3分18秒/km)

◆自己記録  3時間37分32秒 2013年12月 青島太平洋マラソン(5分09秒/km)


【100km】

◆男子世界記録 6時間09分14秒 風見 尚 (日本)  2018年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分42秒/km)

◆女子世界記録 6時間33分11秒 安部 友恵 (日本) 2000年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分56秒/km)

◆自己記録 12時間13分41秒  2009年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン(7分20秒/km)

記録

【ハーフマラソン】
◆男子世界記録
 57分31秒 ジェイコブ・キプリモ(ウガンダ) 2021年11月(ポルトガル・リスボン)(2分43秒6/km)
◆男子日本記録 1時間00分00秒 小椋 裕介 2020年2月(香川丸亀国際ハーフ)(2分50秒6/km)
◆女子世界記録 1時間02分52秒 レテセンベト・ギデイ(エチオピア)2021年10月スペイン・バレンシアハーフマラソン (2:58.8/km)
◆女子日本記録 1時間06分38秒 新谷仁美 2020年1月 米国・ヒューストンハーフマラソン (3:09.5/km)
◆自己記録  1時間37分12秒 2013年11月 江東シーサイドマラソン(4分36秒/km)