飛騨高山ウルトラマラソン
その1、その2、その3
つづきです。(今回が完結編です。)
2012年6月10日 飛騨高山ウルトラマラソン 54.4キロ地点
後半戦がスタート。レース前はここから70キロ手前までの上りの区間が一番のポイントになると思い、ここを凌げば、先が見えてくるので、気合いを入れて走りました。
細かなアップダウンの後、72kmの部と100㎞の部の分岐点へ。72kmの部はゴール地点に向かいますが、100㎞の部は約28㎞周回して、また戻ってきます。
時刻は正午を過ぎて、晴れて、日差しが眩しくなってきました。足もいっぱいいっぱいの状態になってきました。59.2キロの大萱公民館のエイドを前に、自販機で冷たいお茶を購入、気分転換を心がけますが、どうも動きが鈍いままです。
60キロ地点を通過、7時間24分で設定よりまだ23分早いタイムですが、10キロ近くほぼ上りが続く道、今までのような感じでは走れなくなっていて、踏ん張りどころとなってきました。
だんだん傾斜がきつくなってきて、周りのランナーにつられて歩くことに、20キロの坂よりも傾斜はきつくないはずなのに、60キロを過ぎると走れなくなる、非常にもどかしい気持ちになりながら、歩いていました。途中、私設エイドでコーラを提供してくれる人がいて、リフレッシュできましたが、きつい坂が続きます。
68.2キロのエイドでようやく、長い坂も一段落して、70キロ地点を通過、8時間58分、設定タイムからの余裕は13分ほどに短くなりましたが、あと30キロを5時間で行けば完走、このあたりから、頭の中で、キロ何分で行けば完走できるのか、計算しながら走っていました。
下りの道に入りましたが、得意の下りなのに下れない。足だけでなく背筋も腹筋も全身が痛く、恐る恐る下っている感じで、なかなかスピードに乗ってきません。
73キロを過ぎて、ようやく平らな道になり、逆に楽になった感じがしました。コースは標高が下がってのどかな田園地帯に入り、このあたりから、前後のランナーの間隔が開くようになりました。
コースは再び、国道158号線に入り、緩やかに下る道になりました。70数キロぶりのコンビニが登場、ビールを買って飲みながら走っているランナーを見かけましたが、我慢して、ゆっくりのスピードで走り続けました。
80キロ地点は、10時間20分で通過、今思えば、20キロを2時間40分で行けば13時間切りですが、この時点では、20キロを3時間40分以内で走ることを考えていました。
82.5キロ、再び、丹生川支所に戻ってきました。ここの関門閉鎖時間11時間30分より50分ほど余裕を持って通過しました。夕方4時前ですが、まだまだ応援がいっぱいでした。焼きそばを食べ、ゴール予想時刻を両親にメール(実家から車でゴール地点にかけつける予定)して、走り始めました。
炭酸系の飲み物が欲しくなって自販機で、300ccほどの栄養系ドリンク剤を購入、蓋を開けようとするが、なかなか開きません。握力が落ちているのか、ただ開けにくい形状のビンなのか、数分格闘の後、大会のコース誘導の方にお願いしたら、いとも簡単に開けてしまいました。(どうも握力が低下していたようです。)
そんなロスがありつつ、85キロを11時間6分で通過、あと15キロ、もうなんとかなりそうです。そう思った矢先、壁のような坂が待ち構えていました。もう笑うしかない、辺りのランナーも、そんな感じでした。もう走れないので、割り切って歩きました。登山しているような感覚の坂で、なかなか頂上までいきませんが、2キロちょっと歩いてようやく、お寺らしき建物が見えてきました。
そして、石段が登場、前日の説明会で聞いてはいましたが、実際、目の当たりにすると、やっぱり笑うしかなく、大会関係者も意地悪だなと感じました。
石段の上では、ボランティアの方が応援、何とか50段歩いて上がりました。お参りをして、87キロの境内のエイドへ、のどを潤しました。
ここから下りかと思ったら、しばらくまた上り坂があって、その後、下り坂へ、大きな山場を越えて、思いっきり下りたいのですが、まったく下れません。下りってこんなに苦しかったのか、そう思いながら、かろうじて走っていました。
90キロ地点、11時間58分で通過、この5キロは51分56秒で、この区間が最も遅いタイムでした。ようやく長い下りが終わり、ゴールへ向けてのカウントダウンが始まります。
日も西に沈みかけ、影が長くなってきて、高山の田園風景が美しくなってきました。残り距離が短くなり、力も多少湧き出て、ペースが上がって行きました。上り坂もたまに出てきますが、今までの坂と比べれば、平らに感じます。
95キロを通過、13時間半は切れそうです。もう歩いても大丈夫ですが、早くゴールしたいので走りました。住宅も増えて、応援も熱心にしてくれています。
残り2キロ、ゴールの体育館らしき建物が見えてきました。今までの疲れも心地よく感じてきます。
そしてラスト500メートル、完走を祝福した横断幕やプラカードやボードが見えます。ラスト数百メートルは、ウルトラマラソンの醍醐味です。そして、沿道の人とハイタッチしながら、ゴールの国府B&G体育館へ、13時間23分、目標タイムより10分ほど速くゴールできました。
ゴールシーン
高山市全体で、この大会を盛り上げて頂いたので、本当にきついコースですが、楽しく走ることができました。
帰りは、両親の車で、奥飛騨温泉の平湯温泉の日帰り温泉のひらゆの森で、入浴した後、その日のうちに、安曇野の実家に宿泊して、月曜日に、東京に戻りました。
http://www.hirayunomori.co.jp/
この大会が始まる前から、野辺山、飛騨高山、兵庫の村岡、どの100キロが一番ハードか論争?が起きていましたが、今大会の100キロの部の完走率は、78.8%(出走735人、完走579人)でした。ちなみに今年の野辺山が67.4%(出走1,645人、完走1,108人)でした。
村岡は走ったことがないので分かりませんが、野辺山と比較すると、70キロ以降に上り坂が多い野辺山と比べると、飛騨高山は千光寺の坂以外は下り基調で、思ったよりタイムが出やすかったのではないかと思います。
ただし、今回の飛騨高山は比較的涼しい中、行われましたので、30度を超す気温になった場合、相当難易度が増すコースになると思います。今でも少々意地悪なコースですが、高山市は日本一広い市、3000m級の山もあり、難しくしようと思えば、いくらでも難しいコースが作れる場所であり、今後が楽しいような、怖いような気がします。
個人的には、当初の目標タイムをクリアできたのですが、積極的な前半に比べて、後半が消極的すぎた感じで、昨年の富士五湖、一昨年の野辺山に比べると、ゴール後のダメージが少なく、出し切った感がありませんでした。コースを警戒しすぎた感じもありますが、もっと最後までがむしゃらに走るレースを心がけたいと思います。
参加賞:Tシャツ、完走メダル、入浴割引券、レーズン、絵はがき 等
2012飛騨高山ウルトラマラソン
ラップ (目標ラップ) / 通過タイム 目標タイム (目標との差)
5km 35:54 (32:00) / 0:35:54 / 0:32:00 (+03:54)
10km 32:20 (33:00) / 1:08:14 / 1:05:00 (+03:14)
15km 32:50 (37:00) / 1:41:04 / 1:42:00 (-00:56)
20km 33:09 (35:00) / 2:14:13 / 2:17:00 (-02:47)
25km 33:29 (40:00) / 2:47:42 / 2:57:00 (-09:18)
30km 44:47 (41:00) / 3:32:29 / 3:38:00 (-05:31)
35km 37:04 (42:00) / 4:09:33 / 4:20:00 (-10:27)
40km 35:42 (43:00) / 4:45:15 / 5:03:00 (-17:45)
45km 30:54 (35:00) / 5:16:09 / 5:38:00 (-21:51)
50km 38:36 (37:00) / 5:54:45 / 6:15:00 (-20:15)
55km 47:53 (50:00) / 6:42:38 / 7:05:00 (-22:22)
60km 41:31 (42:00) / 7:24:09 / 7:47:00 (-22:51)
65km 43:47 (42:00) / 8:07:56 / 8:29:00 (-21:04)
70km 50:33 (42:00) / 8:58:29 / 9:11:00 (-12:31)
75km 41:07 (40:00) / 9:39:36 / 9:51:00 (-11:24)
80km 40:41 (40:00) / 10:20:17 / 10:31:00 (-10:43)
85km 46:38 (42:00) / 11:06:55 / 11:13:00 (-06:05)
90km 51:56 (50:00) / 11:58:51 / 12:03:00 (-04:09)
95km 43:02 (45:00) / 12:41:53 / 12:48:00 (-06:07)
100km 41:08 (45:00) / 13:23:01 / 13:33:00 (-09:59)
20km 2:14:13
40km 4:45:15 (2:31:02)
60km 7:24:08 (2:38:53)
80km 10:20:17 (2:56:09)
100km13:23:01 (3:02:44)
その1、その2、その3
つづきです。(今回が完結編です。)
2012年6月10日 飛騨高山ウルトラマラソン 54.4キロ地点
後半戦がスタート。レース前はここから70キロ手前までの上りの区間が一番のポイントになると思い、ここを凌げば、先が見えてくるので、気合いを入れて走りました。
細かなアップダウンの後、72kmの部と100㎞の部の分岐点へ。72kmの部はゴール地点に向かいますが、100㎞の部は約28㎞周回して、また戻ってきます。
時刻は正午を過ぎて、晴れて、日差しが眩しくなってきました。足もいっぱいいっぱいの状態になってきました。59.2キロの大萱公民館のエイドを前に、自販機で冷たいお茶を購入、気分転換を心がけますが、どうも動きが鈍いままです。
60キロ地点を通過、7時間24分で設定よりまだ23分早いタイムですが、10キロ近くほぼ上りが続く道、今までのような感じでは走れなくなっていて、踏ん張りどころとなってきました。
だんだん傾斜がきつくなってきて、周りのランナーにつられて歩くことに、20キロの坂よりも傾斜はきつくないはずなのに、60キロを過ぎると走れなくなる、非常にもどかしい気持ちになりながら、歩いていました。途中、私設エイドでコーラを提供してくれる人がいて、リフレッシュできましたが、きつい坂が続きます。
68.2キロのエイドでようやく、長い坂も一段落して、70キロ地点を通過、8時間58分、設定タイムからの余裕は13分ほどに短くなりましたが、あと30キロを5時間で行けば完走、このあたりから、頭の中で、キロ何分で行けば完走できるのか、計算しながら走っていました。
下りの道に入りましたが、得意の下りなのに下れない。足だけでなく背筋も腹筋も全身が痛く、恐る恐る下っている感じで、なかなかスピードに乗ってきません。
73キロを過ぎて、ようやく平らな道になり、逆に楽になった感じがしました。コースは標高が下がってのどかな田園地帯に入り、このあたりから、前後のランナーの間隔が開くようになりました。
コースは再び、国道158号線に入り、緩やかに下る道になりました。70数キロぶりのコンビニが登場、ビールを買って飲みながら走っているランナーを見かけましたが、我慢して、ゆっくりのスピードで走り続けました。
80キロ地点は、10時間20分で通過、今思えば、20キロを2時間40分で行けば13時間切りですが、この時点では、20キロを3時間40分以内で走ることを考えていました。
82.5キロ、再び、丹生川支所に戻ってきました。ここの関門閉鎖時間11時間30分より50分ほど余裕を持って通過しました。夕方4時前ですが、まだまだ応援がいっぱいでした。焼きそばを食べ、ゴール予想時刻を両親にメール(実家から車でゴール地点にかけつける予定)して、走り始めました。
炭酸系の飲み物が欲しくなって自販機で、300ccほどの栄養系ドリンク剤を購入、蓋を開けようとするが、なかなか開きません。握力が落ちているのか、ただ開けにくい形状のビンなのか、数分格闘の後、大会のコース誘導の方にお願いしたら、いとも簡単に開けてしまいました。(どうも握力が低下していたようです。)
そんなロスがありつつ、85キロを11時間6分で通過、あと15キロ、もうなんとかなりそうです。そう思った矢先、壁のような坂が待ち構えていました。もう笑うしかない、辺りのランナーも、そんな感じでした。もう走れないので、割り切って歩きました。登山しているような感覚の坂で、なかなか頂上までいきませんが、2キロちょっと歩いてようやく、お寺らしき建物が見えてきました。
そして、石段が登場、前日の説明会で聞いてはいましたが、実際、目の当たりにすると、やっぱり笑うしかなく、大会関係者も意地悪だなと感じました。
石段の上では、ボランティアの方が応援、何とか50段歩いて上がりました。お参りをして、87キロの境内のエイドへ、のどを潤しました。
ここから下りかと思ったら、しばらくまた上り坂があって、その後、下り坂へ、大きな山場を越えて、思いっきり下りたいのですが、まったく下れません。下りってこんなに苦しかったのか、そう思いながら、かろうじて走っていました。
90キロ地点、11時間58分で通過、この5キロは51分56秒で、この区間が最も遅いタイムでした。ようやく長い下りが終わり、ゴールへ向けてのカウントダウンが始まります。
日も西に沈みかけ、影が長くなってきて、高山の田園風景が美しくなってきました。残り距離が短くなり、力も多少湧き出て、ペースが上がって行きました。上り坂もたまに出てきますが、今までの坂と比べれば、平らに感じます。
95キロを通過、13時間半は切れそうです。もう歩いても大丈夫ですが、早くゴールしたいので走りました。住宅も増えて、応援も熱心にしてくれています。
残り2キロ、ゴールの体育館らしき建物が見えてきました。今までの疲れも心地よく感じてきます。
そしてラスト500メートル、完走を祝福した横断幕やプラカードやボードが見えます。ラスト数百メートルは、ウルトラマラソンの醍醐味です。そして、沿道の人とハイタッチしながら、ゴールの国府B&G体育館へ、13時間23分、目標タイムより10分ほど速くゴールできました。
ゴールシーン
高山市全体で、この大会を盛り上げて頂いたので、本当にきついコースですが、楽しく走ることができました。
帰りは、両親の車で、奥飛騨温泉の平湯温泉の日帰り温泉のひらゆの森で、入浴した後、その日のうちに、安曇野の実家に宿泊して、月曜日に、東京に戻りました。
http://www.hirayunomori.co.jp/
この大会が始まる前から、野辺山、飛騨高山、兵庫の村岡、どの100キロが一番ハードか論争?が起きていましたが、今大会の100キロの部の完走率は、78.8%(出走735人、完走579人)でした。ちなみに今年の野辺山が67.4%(出走1,645人、完走1,108人)でした。
村岡は走ったことがないので分かりませんが、野辺山と比較すると、70キロ以降に上り坂が多い野辺山と比べると、飛騨高山は千光寺の坂以外は下り基調で、思ったよりタイムが出やすかったのではないかと思います。
ただし、今回の飛騨高山は比較的涼しい中、行われましたので、30度を超す気温になった場合、相当難易度が増すコースになると思います。今でも少々意地悪なコースですが、高山市は日本一広い市、3000m級の山もあり、難しくしようと思えば、いくらでも難しいコースが作れる場所であり、今後が楽しいような、怖いような気がします。
個人的には、当初の目標タイムをクリアできたのですが、積極的な前半に比べて、後半が消極的すぎた感じで、昨年の富士五湖、一昨年の野辺山に比べると、ゴール後のダメージが少なく、出し切った感がありませんでした。コースを警戒しすぎた感じもありますが、もっと最後までがむしゃらに走るレースを心がけたいと思います。
参加賞:Tシャツ、完走メダル、入浴割引券、レーズン、絵はがき 等
2012飛騨高山ウルトラマラソン
ラップ (目標ラップ) / 通過タイム 目標タイム (目標との差)
5km 35:54 (32:00) / 0:35:54 / 0:32:00 (+03:54)
10km 32:20 (33:00) / 1:08:14 / 1:05:00 (+03:14)
15km 32:50 (37:00) / 1:41:04 / 1:42:00 (-00:56)
20km 33:09 (35:00) / 2:14:13 / 2:17:00 (-02:47)
25km 33:29 (40:00) / 2:47:42 / 2:57:00 (-09:18)
30km 44:47 (41:00) / 3:32:29 / 3:38:00 (-05:31)
35km 37:04 (42:00) / 4:09:33 / 4:20:00 (-10:27)
40km 35:42 (43:00) / 4:45:15 / 5:03:00 (-17:45)
45km 30:54 (35:00) / 5:16:09 / 5:38:00 (-21:51)
50km 38:36 (37:00) / 5:54:45 / 6:15:00 (-20:15)
55km 47:53 (50:00) / 6:42:38 / 7:05:00 (-22:22)
60km 41:31 (42:00) / 7:24:09 / 7:47:00 (-22:51)
65km 43:47 (42:00) / 8:07:56 / 8:29:00 (-21:04)
70km 50:33 (42:00) / 8:58:29 / 9:11:00 (-12:31)
75km 41:07 (40:00) / 9:39:36 / 9:51:00 (-11:24)
80km 40:41 (40:00) / 10:20:17 / 10:31:00 (-10:43)
85km 46:38 (42:00) / 11:06:55 / 11:13:00 (-06:05)
90km 51:56 (50:00) / 11:58:51 / 12:03:00 (-04:09)
95km 43:02 (45:00) / 12:41:53 / 12:48:00 (-06:07)
100km 41:08 (45:00) / 13:23:01 / 13:33:00 (-09:59)
20km 2:14:13
40km 4:45:15 (2:31:02)
60km 7:24:08 (2:38:53)
80km 10:20:17 (2:56:09)
100km13:23:01 (3:02:44)
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