日本陸上競技連盟(日本陸連)が4月10日に栄養セミナー2016「陸上競技選手の貧血について考える」を開催しました。
そこでは、中高生の女子長距離選手を中心に問題となっている貧血問題について、「アスリート貧血対処7か条」を採択しました。
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貧血とは血液中で酸素を運ぶヘモグロビン濃度が低い状態をいい、パフォーマンスの低下に直結する病気です。
貧血のなかで、アスリートにもっとも多いのは鉄欠乏性貧血で、これは食事と休養に気を配ることで予防することができます。
しかし、駅伝に力を入れている高校、大学の女子長距離選手で見られるのが、食事で太ることを気にして、
体重を軽く維持するために食事を制限
↓
体内の鉄が不足
↓
鉄剤を摂取する (サプリメントや静脈注射)
という流れに陥っています。
特に、大会が近づくと、即時に効く、鉄分サプリメントの過量使用や鉄剤の静脈内注射が日常的に行われている事実があります。
しかし、鉄分が体内に多く入りすぎると、肝臓、心臓などの重要な臓器に蓄積し、体に悪影響をもたらします。
そこで、日本陸上競技連盟はアスリートの健康確保のため、貧血の予防・早期発見・適切な治療をめざし、「アスリートの貧血対処 7 か条」を作成しています。
日本陸連「アスリートの貧血対処 7 か条」
1. 食事で適切に鉄分を摂取
2. 鉄分の摂りすぎに注意
3. 定期的な血液検査で状態を確認
4. 疲れやすい、動けないなどの症状は医師に相談
5. 貧血の治療は医師と共に
6. 治療とともに原因を検索
7. 安易な鉄剤注射は体調悪化の元
第一生命の山下佐知子監督は成長期に鉄剤に頼って走ってきた選手について「体ができていない。筋肉の質、骨が伴ってないと実業団の練習に耐えられない。そういう選手が多い」としたうえで、「このテーマ(の解決)なくして長距離の未来はない」とまで言い切っています。
女子マラソンの記録の低迷の大きな原因になっています。
朝日新聞や産経新聞などでも、この取り組みが紹介されました。
しかし、ある医師からこのようなコラムが掲載されました。
貧血大国日本で鉄の過剰摂取を警告する不思議
ただでさえ貧血になりやすいスポーツ選手の実態を知っているのか?
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46703
スポーツ選手は、一般人より鉄分を多く摂取する必要があるので、食事でカバーすることは難しく、決して鉄剤の注射が悪いということではないと主張しています。
私は医者ではありませんが、
熱中症の危険がある天気の時は、水分補給も大事ですが、水分を摂取しすぎる水中毒や、スポーツドリンクを飲みすぎるペットボトル症候群になる危険性も考えなければいけません。
貧血の場合も同様だと思っています。
貧血になる選手が多いが故に、鉄の過剰摂取を気をつけなければいけない。
実際に、現場で、そのような事例があるので、日本陸連は主張しています。
この筆者の方は、経歴を見ると2015年に医師になったばかりで、スポーツドクターではありません。女子中高生の陸上選手を実際に診察した経験もないように思われます。
現状を知らずに、このような内容のコラムを書くのは、如何なものかと思います。
色々な文献を調べても、鉄剤注射は、あくまで、最終手段であって、食事での摂取が副作用がなく一番です。
鉄欠乏性貧血の治療 鉄剤の使用は?|メディカルノート http://bit.ly/24Q89Yc
鉄剤は注射と服用どっちがいい? http://bit.ly/1TC7AJL
しかし、医師にこのコラムような意見を持っている人がいるということは、
安易に、静脈注射を利用する(鉄剤の静脈注射の危険性を警告してくれない)医師がいるということを浮き彫りにしており、問題の深刻さを感じます。
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日本陸連のフォーラムに出席した室伏由佳さんも上記のコラムについて、誤りを指摘しています。
そこでは、中高生の女子長距離選手を中心に問題となっている貧血問題について、「アスリート貧血対処7か条」を採択しました。
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貧血とは血液中で酸素を運ぶヘモグロビン濃度が低い状態をいい、パフォーマンスの低下に直結する病気です。
貧血のなかで、アスリートにもっとも多いのは鉄欠乏性貧血で、これは食事と休養に気を配ることで予防することができます。
しかし、駅伝に力を入れている高校、大学の女子長距離選手で見られるのが、食事で太ることを気にして、
体重を軽く維持するために食事を制限
↓
体内の鉄が不足
↓
鉄剤を摂取する (サプリメントや静脈注射)
という流れに陥っています。
特に、大会が近づくと、即時に効く、鉄分サプリメントの過量使用や鉄剤の静脈内注射が日常的に行われている事実があります。
しかし、鉄分が体内に多く入りすぎると、肝臓、心臓などの重要な臓器に蓄積し、体に悪影響をもたらします。
そこで、日本陸上競技連盟はアスリートの健康確保のため、貧血の予防・早期発見・適切な治療をめざし、「アスリートの貧血対処 7 か条」を作成しています。
日本陸連「アスリートの貧血対処 7 か条」
1. 食事で適切に鉄分を摂取
2. 鉄分の摂りすぎに注意
3. 定期的な血液検査で状態を確認
4. 疲れやすい、動けないなどの症状は医師に相談
5. 貧血の治療は医師と共に
6. 治療とともに原因を検索
7. 安易な鉄剤注射は体調悪化の元
第一生命の山下佐知子監督は成長期に鉄剤に頼って走ってきた選手について「体ができていない。筋肉の質、骨が伴ってないと実業団の練習に耐えられない。そういう選手が多い」としたうえで、「このテーマ(の解決)なくして長距離の未来はない」とまで言い切っています。
女子マラソンの記録の低迷の大きな原因になっています。
朝日新聞や産経新聞などでも、この取り組みが紹介されました。
【スポーツCatchUp】ストップ!「鉄」の過剰摂取 マラソン再建へ日本陸連が本気モードで対策https://t.co/y6BITIqWTb— 産経ニュース (@Sankei_news) 2016年5月10日
しかし、ある医師からこのようなコラムが掲載されました。
貧血大国日本で鉄の過剰摂取を警告する不思議
ただでさえ貧血になりやすいスポーツ選手の実態を知っているのか?
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46703
スポーツ選手は、一般人より鉄分を多く摂取する必要があるので、食事でカバーすることは難しく、決して鉄剤の注射が悪いということではないと主張しています。
私は医者ではありませんが、
熱中症の危険がある天気の時は、水分補給も大事ですが、水分を摂取しすぎる水中毒や、スポーツドリンクを飲みすぎるペットボトル症候群になる危険性も考えなければいけません。
貧血の場合も同様だと思っています。
貧血になる選手が多いが故に、鉄の過剰摂取を気をつけなければいけない。
実際に、現場で、そのような事例があるので、日本陸連は主張しています。
この筆者の方は、経歴を見ると2015年に医師になったばかりで、スポーツドクターではありません。女子中高生の陸上選手を実際に診察した経験もないように思われます。
現状を知らずに、このような内容のコラムを書くのは、如何なものかと思います。
色々な文献を調べても、鉄剤注射は、あくまで、最終手段であって、食事での摂取が副作用がなく一番です。
鉄欠乏性貧血の治療 鉄剤の使用は?|メディカルノート http://bit.ly/24Q89Yc
鉄剤は注射と服用どっちがいい? http://bit.ly/1TC7AJL
しかし、医師にこのコラムような意見を持っている人がいるということは、
安易に、静脈注射を利用する(鉄剤の静脈注射の危険性を警告してくれない)医師がいるということを浮き彫りにしており、問題の深刻さを感じます。
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日本陸連のフォーラムに出席した室伏由佳さんも上記のコラムについて、誤りを指摘しています。
誤解を生むため補足させてください。痩せるために食事を拒み貧血に。その連鎖から鉄剤の静脈注射"頼り'"と"繰り返し"。こうした問題提起があり、セミナーが開催されました。ちなみに、TUE申請なしでの静脈注射はアンチ・ドーピング規則違反。 https://t.co/VOvh3ntEHs— 室伏由佳(Yuka Murofushi) (@yucaticatac) 2016年5月2日
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