2017年6月3日土曜日

2017土佐乃国横断遠足 (室戸岬-足摺岬 242km) その3

第4回土佐乃国横断遠足 242km(制限60時間)
つづきです。


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2017年5月19日(金)23時
82kmの桂浜エイドを出ると、ヘアピンカーブの下り坂に入ります。


ここからの景色は昼間だったら、綺麗だと思うのですが、4度とも夜。
プライベートでは訪れたことがないので、明るい時間帯に来たことがありません。
昼間の景色を想像しながら、下って行きます。




ここからは、花街道。左は海。右はブティックホテル街。

過去の経験から、初日の夜は、しっかり睡眠をとることが重要だと思い、2年前は、春野のホテルに宿泊しました。十分に休めた反面、コースから少し外れているため、ロスタイムがかなりありました。

そして、今回の秘策は、休憩3時間3340円のホテルを利用することです。
コース沿いにあり、仮眠を取るには便利な施設です。

しかし、一人で利用できるか。不安がありましたので、事前にホテルに確認の電話して、女性の従業員の方よりOKですと了解を頂きました。


そして、12時前にそのホテルへ。
空室ありのランプがあるものの、受付のインターホンを押しても無反応です。

近くにいた、強面の男性の従業員の方にその旨を伝えると
ちょっと機嫌悪そうに、「205号室が空いてないよ。」と言われましたが、無事、利用することができました。


シャワーを浴びて、携帯やGPSの時計の充電をしつつ、ベットで2時間ほど睡眠しました。
やはり布団で寝ると、疲れの取れ方が全然違う。起きたら、スッキリしました。
部屋の中の自動精算機で会計を済ませて、

2017年5月20日(土) 午前3時前、再び、走り始めました。

桂浜のエイドの制限時間は、午前1時なので、
この付近のホテル・自宅等で仮眠を取っている人がいるかもしれませんが、
一旦、ここで、(おそらく)最後尾になりました。

しばらくすると、前方にランナーを発見、並走したり、追い抜きながら、高知競馬場のチェックポイント写真を撮りました。

午前3時20分、過去4度で一番、遅い時間での通過ですが、ここからは追い上げ体制に入ります。


競馬場近くのローソンで立ち寄り、パン等を買って、食事休憩をしました。


ここは休憩スペースがあり、何人かランナーが仮眠を取っていました。


秘策の休憩のホテルは、自分だけかと思ったのですが、何人か利用していることが、この時点で分かりました。


再び、走り始めると、近くのコンビニで仮眠をしている人を何人か追い抜きました。


午前4時半過ぎ、辺りが徐々に明るくなり始めた頃、春野のあじさい街道に入りました。


例年、満開の紫陽花が咲いているのですが、今年はほとんど咲いていませんでしたが、早朝の空気が気持ち良かったです。


あじさい街道が終わると、国道56号線に入ります。
ヘッドライトを片付けて、走りのペースを上げていきます。

紙袋を持ったスーツ姿のサラリーマン風のランナーを追い抜きましたが、

その後、ずっと、背後から足音が聞こえてきます。

長い仁淀川大橋を渡り、100km地点を通過しましたが、
その後も、ずっと後を追うサラリーマン風の男性の気配を感じます。

(ジョギングしている格好だったり、電車に乗り遅れそうな状況であったら分かるのですが、土佐市はそもそも鉄道が走っていないですし、バスが動いている時間でもないので、とても不思議で、怖くなってきました(笑)。)

こうなったら、抜かれまいと必死に走りました。
橋を渡りきったあとで、ようやく、気配がなくなり、ホッとしました。



早朝の不思議なデットヒートを制して、土佐市の中心街へ。
3年前には、高知に1つもなかったセブンイレブンがありましたが、まだ余裕があり、休憩をせずに進んでいきます。


昨年は、この時間帯に強い雨が降って、とても厳しいコンディションになりましたが、今年は、走りやすい天気が続いています。



市役所・警察を過ぎると、郊外に。


コンビニで、スープとコーヒーを購入しました。
食べると眠くなると思い、この組み合わせ。
(第1回大会の脱水症の反省から、コーヒーは、2日目の夜以降まで我慢することにしていましたが、今年はついつい購入してしまいました。)


しかし、身体は順調で、ペースは落ちましたが、ほぼ走れています。


住宅もなくなり、山間の風景に変わり、早朝、トラックがかなりのスピードで通過していきます。


この時点で、昨年のペースを上回って、快調です。




今年は、初日から雲1つない良い天気が続いています。



歩道が狭く、車に気をつけながら、土佐市の道を走って行くと、徐々に左右の山が近づいてきました。



山を超えたら、須崎。もうすぐ半分だと思うと、ちょっと元気になってきます。




水車を過ぎて、しばらくすると、新名古屋トンネルに入りました。

トンネル内の歩道は、石など少なく路面が綺麗で、走りやすいです。ペースを上げて、トンネルを抜けて須崎市に入りました。


ここから、また絶景が続きます。


昨年は雨で撮れなかった写真をよく撮っていました。



もう一度、トンネルを潜ると、須崎の市街地へ。
気がつくと、昨年より1時間以上速いペースです。


ほぼ半分の120km、フルマラソン3回分が終わりました。
足はさすがに重いですが、上半身は比較的元気です。


ここでガストに入りました。


ファミレスですが、須崎らしいメニューのちりめん・マグロ丼を注文して食べ、
ドリンクバーで水分を補給しました。


再び、走り始めて、道の駅を目指します。


道の駅 かわうその里すさきでは、友人が応援に来てくれました。
昨年は寒くて、名物の鍋焼きラーメンをここで食べたのですが、
今年は時間帯が早く営業時間外でしたし、暑い天気だったので、ソフトクリームを食べることにしました。


例年2日目は涼しくなるのですが、今年は暑くなりそうなので、早めに暑さ対策をします。







道の駅を過ぎ、上り坂を走り、トンネルを潜ると、個人的にお気に入りの景色が見えてきました。


坂と山と海と空と柑橘類と
青と緑と黄色が美しいコントラストを描いています。




綺麗な風景を楽しみつつ進んでいきます。


単独走が続きますが、時折、抜いたり、抜かれたり、コンビニで休んだりして、次のチェックポイントを目指します。



焼坂トンネルを抜けると、中土佐町に入りました。




下り切ったところで、友人が私設エイドを作ってくれていました。


飲み物、食べ物を頂いて、暑くなりはじめた中土佐の道を走っていきます。



2ヶ月前桜マラソン走った時に訪れた、土佐久礼の大正町市場の手前で、右折。
添蚯蚓(そえみみず)の遍路道に向かいます。



のどかな風景の中、進むと、道案内が出てきました。






そして、登り口、第2回大会からこの道になり、今年で3回目になります。


使い古したシューズは、底が擦り切れて、若干、滑りましたが、
今までのアスファルトの道から、土や落ち葉の道となり、足は休まる感じでした。


木の階段の上りきると、135kmのチェックポイントの休憩所に到着しました。



12時33分。昨年より1時間40分ほど速いペースです。
しかし、昨年は悪天候で全体的にペースが遅く、今年は逆に天候が良く全体的にペースが速くなっているようです。


ここで、少し食べ物を頂いて、ドロップバックポイントがある152kmの四万十町の第4エイドへ急ぎます。


昨年のこの時間帯、かなりの睡魔に襲われましたが、今年は大丈夫です。


日陰の遍路道を歩き続けます。


トカゲやへびに遭遇しながら、着実に進んでいきます。
トレイルの道は、上りも下りも緩やかなので、比較的、負担なく、呼吸もさほど苦しくありません。



転倒に気をつけながら、早歩きで進み、午後2時前には、山を抜けました。








コースは四万十町の窪川に。
遍路道が終わると、道は日向になり、急激に暑さを感じるようになりました。


昨日は、耐えられましたが、この日はきつく感じ、自販機で飲み物を買う頻度が上がってきました。




そんな中で、時折、私設エイドを設けてくれたり、氷を頂いたりして暑さを耐えしのぐことができました。








この辺りでは、ランナーに抜かれるより、抜くことが多く、良いペースで走れています。





JR土讃線の仁井田駅の近くで、左折。
エイドが近づいてきました。



エイドに行けば、仮眠ができる、シャワーが浴びれる。
しかし、意外とここからが長く、毎年のことですが、なかなかたどり着きません。


それでも、午後3時58分。昨年より2時間20分以上速く、152kmの四万十町・東又エイドに到着しました。

過去4回でも、2番目に早い到達時間。ホテルの秘策も功を奏し、練習不足ながら、ここまでは順調に来ました。



マメはできておらず、作戦通り、古いシューズも今のところ成功ですが、足はかなり浮腫んでいました。

シャワーを浴びて、生姜焼き定食とソーメンを頂きました。


電子機器の充電をしつつ、仮眠をとりました。

しっかり寝ようと思いましたが、1時間ほどで目が覚めました。
その後、カレーライスも頂いて、走る準備をして、午後7時過ぎ、再び走り始めました。



昨年より2時間早いスタート。完走の目処は立って来ました。

例年は、2日目の夜は、並走することが多いのですが、今年は単独走で、前も後ろもかなり離れています。


ゴルフ場の坂を越えて、芋けんぴの水車亭で左折して、再び国道56号線を走ります。


昨年は、水車亭の看板が消えていたので、今年は早いと実感します。


しばらくして、ローソンに到着。
この先、20kmほどコンビニがないので、食料と飲み物を切らさないようにストック用にパンなどを購入しました。


ここからは、暗くて長い上り坂が続きます。
走っても危険なので、キロ10分の早歩きで進んでいきます。

峠を越えると、黒潮町へ。

例年、疲れと睡魔と、スピードを出して通過する車に苦しめられる箇所です。

ここを凌げば、ゴールが近づきます。

完走はある程度、可能性が高くなったので、ゴールでの応援が多い、日曜の午後2時ぐらいの足摺岬の到着を頑張って目指すことにしました。



緩やかな下り坂、車に気をつけながら、進みます。




10kmほど歩いて、土佐佐賀温泉 こぶしのさとに到着。
2ヶ月前にここで入浴しましたが、時刻は22時。営業は21時で終了しています。
トイレだけ借りて、先を急ぎます。


眠気の方は大丈夫ですが、足が痛みはじめて来ました。





23時45分頃、土佐佐賀の道の駅の前のコンビニに到着。
ここで、久しぶりの長い休憩をとりました。

4年連続、深夜に働く名物のフェミニンな店員さんを発見。何か落ち着きます。

そして、4年連続、ここできつねうどんを食べます。



眠気覚ましのため、コーヒーを飲みました。


昨年より3時間速いペースで進んでいきます。

例年なら、この辺り、仮眠をとるのですが、行けるところまでいきます。


横浜トンネルを潜ると、海が近づき、波音が聞こえてきます。


この波音が心地よく、眠りを誘う薬になています。
歩きながら、うとうとし始めます。


これは、まずいと、色々対策を考えます。
一人で歩いているので、ラジオの音声を流したり、歌を歌ったり。

大きな声で歌うのが、眠気覚ましに効果がありました。


土佐白浜付近の長い、長い海岸線。眠気と戦いながら進みました。


途中、救急車が通過。何かランナーにあったか、気になって、目がさえてきました。
(結局、ランナーは関係なかったようです。)


少しバス停で休みながら、先を急ぎます。
足どりはかなり鈍くなりましたが、昨年より4時間半早く、午前3時半、まだ暗いうち道の駅ビオス大方を通過しました。

自己記録ペースになってきました。


その後のコンビニで、そばを購入。(うどんを食べたかったのですがなかったので)
ここで、足を休ませるため、しばらく休息しました。

スタートから192km。ここまで、予想以上の健闘でした。

しかし、残り50km。
ここから、例年以上に苦しむことになりました。


午前4時半に、再びスタートしますが、足が悲鳴を上げてきています。


まめができなくてよかった古いシューズですが、クッション性の機能もなくなってきており、足が思うように動きません。


時間をかけて歩くのが精一杯の状態になってきています。


おまけに睡魔が襲ってきて、うとうとしながら、進んでいきます。


朝焼けの景色は美しいですが、徐々に景色を楽しむ余裕がなくなってきました。


トンネルを潜ると、長かった黒潮町が終わり、四万十市に入りました。



異変は続き
この辺りが、頻繁にトイレに行きたくなってきました。

3年前は、眠気覚ましのカフェイン系の飲料や薬で、利尿作用をもたらし、必要以上の水分が排出されて、脱水症状を起こし、意識障害となりました。

このことが頭をよぎり、早くコーヒーを飲みすぎたことを悔やみました。


この時点で、記録を狙うことは諦めて、着実にゴールを目指すことに予定を変更しました。


この日は、雲が増えてきたものの、3日間良い天気が続いてます。


古津賀の駅前を通過して、四万十川が近づきますが、状態はよくなりません。


もう走ることは諦めて、歩くことに精一杯。まずは、四万十大橋のチェックポイントを目指します。



国道56号線に別れを告げて、左折してコースは県道20号線に。




ようやく四万十川が見えてきました。


ペースダウンしたため、何人かに抜かれて、202kmの四万十大橋に到着しました。

午前7時11分。昨年より4時間近く早く、自己ベストペースのタイムですが、
ここ10kmで2時間半以上を要してしまい、記録を意識できる状態でなくなりました。



ここのチェックポイントでうどんを頂いて、少し仮眠をとりました。


10数分で目が覚めますが、足がまだ痛いので、しばし休みました。
そばのコンビニで食料と飲み物を調達して、
午前8時10分過ぎ、ラスト40km。足摺岬を目指して走り始めました。


その4へ続く


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第3回 2016土佐乃国横断遠足 (室戸岬ー足摺岬 242km)  完走記
(その1)  http://bit.ly/215rvFX
(その2) http://bit.ly/1OdvGP5
(その3) http://bit.ly/1YgfwXf
(その4) http://bit.ly/1sxyvAr

第2回 2015土佐乃国横断遠足 (室戸岬ー足摺岬 242km)  完走記
(その1) http://bit.ly/1G2Wk8p
(その2) http://bit.ly/1J8mPtQ
(その3) http://bit.ly/1SKXQ2L
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第1回 2014土佐乃国横断遠足 (室戸岬ー足摺岬 242km)  完走記
(その1) http://bit.ly/1tpRR3G
(その2) http://bit.ly/1nzo9fk
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(その4) http://bit.ly/1J8rz14
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(その6) http://bit.ly/1JWMUey
土佐の国横断遠足

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マラソンの記録

【フルマラソン】

◆男子世界記録 2時間00分35秒 ケルビン・キプタム(ケニア) 2023年10月 シカゴマラソン (2分51秒5/km)

◆男子日本記録 2時間04分56秒 鈴木 健吾 2021年2月 びわ湖毎日マラソン(2分57秒7/km)

◆女子世界記録 2時間11分53秒 ティギスト・アセファ (エチオピア) 2023年9月 ベルリンマラソン (3分08秒/km)

◆女子日本記録 2時間19分12秒 野口 みずき 2005年9月 ベルリンマラソン (3分18秒/km)

◆自己記録  3時間37分32秒 2013年12月 青島太平洋マラソン(5分09秒/km)


【100km】

◆男子世界記録 6時間09分14秒 風見 尚 (日本)  2018年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分42秒/km)

◆女子世界記録 6時間33分11秒 安部 友恵 (日本) 2000年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分56秒/km)

◆自己記録 12時間13分41秒  2009年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン(7分20秒/km)

記録

【ハーフマラソン】
◆男子世界記録
 57分31秒 ジェイコブ・キプリモ(ウガンダ) 2021年11月(ポルトガル・リスボン)(2分43秒6/km)
◆男子日本記録 1時間00分00秒 小椋 裕介 2020年2月(香川丸亀国際ハーフ)(2分50秒6/km)
◆女子世界記録 1時間02分52秒 レテセンベト・ギデイ(エチオピア)2021年10月スペイン・バレンシアハーフマラソン (2:58.8/km)
◆女子日本記録 1時間06分38秒 新谷仁美 2020年1月 米国・ヒューストンハーフマラソン (3:09.5/km)
◆自己記録  1時間37分12秒 2013年11月 江東シーサイドマラソン(4分36秒/km)