つづきです。
92.3キロを通過して、最後にして最難関の山越えがある。果たしてどれだけ大変なのか、警戒しつつ再び真っ暗闇の山の中へと入ってきました。
昼は景色を楽しめてよいのですが、夜は真っ暗で何も見えず、危ない思いもする、なのに、「何故、夜通しで走っているのだろう。昼だけで十分。」と今さら、どうしようもないことを、頭に浮かべながら、思考能力もかなり疲弊しながら、登っていきました。
そして、追い打ちをかけるように、壁のような坂が行く手を立ちはだかりました。
直登。ここに来て、角度の険しい坂、ちょっとずつしか進みません。10数メートル登っては、木にもたれかかって、呼吸を整えて、再び、登るという繰り返し、辛くて、辛くて仕方ありませんでした。
ようやく登り切ったと思ったら、今度は、開けた野原に出て、さらに長い長い登りが待っていました。これが、噂の「瑪瑙山」か。「この大会、走れるトレイルが売りだったはずなのに。。。」と、また、今更の嘆きをつぶやきながら、我慢して登り続けました。
幸い前後に多くのランナーが登っていたので、遅れ気味になりながら、ひたすら前についてきました。雨も落ち始め、霧がかかり、風も強く吹き始めました。深夜0時にこの集団は、いったい何をしているのだろうと思いつつも、やっとの思いので、瑪瑙山頂に到着しました。
時間も気になり始め、今度はスキー場の坂を一気に駆け下ります。とはいっても、夜、時折、溝があり、思い切って走れません。こちらも前の集団についていき、瑪瑙山との戦いは終わりました。
すでに90キロ地点からとっくに2時間以上たっているのになかなか100km地点が現れてきません。20時間台でゴールできるのではと、甘い予想は打ち砕かれて、制限時間との戦いになりそうです。
山道の小刻みの上り下りは、集団に離されないように注意しながら走り、ようやく100km地点に到着しました。19時間59分49秒、この10kmは、瑪瑙山との格闘で、3時間6分を費やしてしまい、残り10kmを2時間、あとは下り中心のようですが、ちょっと気を抜けば完走が危うくなります。疲れた体に鞭を打って走りました。
下り坂、スパートをかけるランナーに遅れをとりつつ、着実に下って、102.3kmの最後の給水ポイントに到着しました。ここで、水と温かい飲み物で一息をついて、ラスト7.7km、残り1時間35分。キロ12分で歩いても完走できる。ちょっと安堵の気持ちになりました。
ラストの林道はフラットですが、気持ち上り坂で、走り始めるタイミングがなかなかつかめません。
一旦走っても、すぐに、歩き始め、いつまでも、変わらない景色に、ついに、睡魔が襲ってきました。
目を開けたり、閉じたり、目を再び開けると、林のはずなのに、建物やトンネルが幻覚のように現れて、ゴール地点が近づいたと思って走ると、林で、今までと変わらない景色、この起きているのか、寝ているのか、分からない状態が数十分続き、果たして、前へ進んでいるのか、全く分からず、寝落ちして、草むらに倒れそうになっていました。
後ろからはラストスパートで、ランナーが走りだしていく中、友人を発見、ようやく目が覚めて、再び一緒に走りだしました。残り2.7キロであと40分ほど、何とかなりそうです。
それでも、なかなかゴールらしき灯りが見えず、音も聞こえてきません。もどかしい時間です。
ほどなくして、眠いと言いながら猛ダッシュで走る友人と合流、自分が失速したことで、賑やかな雰囲気になってきました。
今まで違う形状の道になりゴールが近づいたことが分かりました。ようやくゴールの光が見え、飯綱高原のゲレンデを数百メートルかけ下ると、そこがゴールです。
深夜3時過ぎに、たくさん人達の出迎えの中、21時間43分、ついに110キロのゴールにたどり着きました。
長かった。辛かった。何とか耐えた。とえあえず完走できてほっとした心境でした。
ゴールしてから16分後、最終ランナーがぎりぎりにゴールして、午前3時半、22時間のレースが終了しました。
最終回につづく
92.3キロを通過して、最後にして最難関の山越えがある。果たしてどれだけ大変なのか、警戒しつつ再び真っ暗闇の山の中へと入ってきました。
昼は景色を楽しめてよいのですが、夜は真っ暗で何も見えず、危ない思いもする、なのに、「何故、夜通しで走っているのだろう。昼だけで十分。」と今さら、どうしようもないことを、頭に浮かべながら、思考能力もかなり疲弊しながら、登っていきました。
そして、追い打ちをかけるように、壁のような坂が行く手を立ちはだかりました。
直登。ここに来て、角度の険しい坂、ちょっとずつしか進みません。10数メートル登っては、木にもたれかかって、呼吸を整えて、再び、登るという繰り返し、辛くて、辛くて仕方ありませんでした。
ようやく登り切ったと思ったら、今度は、開けた野原に出て、さらに長い長い登りが待っていました。これが、噂の「瑪瑙山」か。「この大会、走れるトレイルが売りだったはずなのに。。。」と、また、今更の嘆きをつぶやきながら、我慢して登り続けました。
幸い前後に多くのランナーが登っていたので、遅れ気味になりながら、ひたすら前についてきました。雨も落ち始め、霧がかかり、風も強く吹き始めました。深夜0時にこの集団は、いったい何をしているのだろうと思いつつも、やっとの思いので、瑪瑙山頂に到着しました。
時間も気になり始め、今度はスキー場の坂を一気に駆け下ります。とはいっても、夜、時折、溝があり、思い切って走れません。こちらも前の集団についていき、瑪瑙山との戦いは終わりました。
すでに90キロ地点からとっくに2時間以上たっているのになかなか100km地点が現れてきません。20時間台でゴールできるのではと、甘い予想は打ち砕かれて、制限時間との戦いになりそうです。
山道の小刻みの上り下りは、集団に離されないように注意しながら走り、ようやく100km地点に到着しました。19時間59分49秒、この10kmは、瑪瑙山との格闘で、3時間6分を費やしてしまい、残り10kmを2時間、あとは下り中心のようですが、ちょっと気を抜けば完走が危うくなります。疲れた体に鞭を打って走りました。
下り坂、スパートをかけるランナーに遅れをとりつつ、着実に下って、102.3kmの最後の給水ポイントに到着しました。ここで、水と温かい飲み物で一息をついて、ラスト7.7km、残り1時間35分。キロ12分で歩いても完走できる。ちょっと安堵の気持ちになりました。
ラストの林道はフラットですが、気持ち上り坂で、走り始めるタイミングがなかなかつかめません。
一旦走っても、すぐに、歩き始め、いつまでも、変わらない景色に、ついに、睡魔が襲ってきました。
目を開けたり、閉じたり、目を再び開けると、林のはずなのに、建物やトンネルが幻覚のように現れて、ゴール地点が近づいたと思って走ると、林で、今までと変わらない景色、この起きているのか、寝ているのか、分からない状態が数十分続き、果たして、前へ進んでいるのか、全く分からず、寝落ちして、草むらに倒れそうになっていました。
後ろからはラストスパートで、ランナーが走りだしていく中、友人を発見、ようやく目が覚めて、再び一緒に走りだしました。残り2.7キロであと40分ほど、何とかなりそうです。
それでも、なかなかゴールらしき灯りが見えず、音も聞こえてきません。もどかしい時間です。
ほどなくして、眠いと言いながら猛ダッシュで走る友人と合流、自分が失速したことで、賑やかな雰囲気になってきました。
今まで違う形状の道になりゴールが近づいたことが分かりました。ようやくゴールの光が見え、飯綱高原のゲレンデを数百メートルかけ下ると、そこがゴールです。
深夜3時過ぎに、たくさん人達の出迎えの中、21時間43分、ついに110キロのゴールにたどり着きました。
長かった。辛かった。何とか耐えた。とえあえず完走できてほっとした心境でした。
ゴールしてから16分後、最終ランナーがぎりぎりにゴールして、午前3時半、22時間のレースが終了しました。
最終回につづく
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