昨今、問題となっている都市部でのトレイルランについて、
5月25日にTBSテレビの噂の東京マガジンで取り上げられました。
その際、「成木の森トレイルラン」が取材を受けて、その模様が放送されたのですが、その件で、主催者のKFCトライアスロンクラブが以下の抗議文がホームページに掲載されました。
TBS番組「噂の!東京マガジン」に苦言を呈す
2014年5月25日(日)放映のテーマ「トレイルランニング」に関して
【作為的な番組作り】
トレイルランは、悪しきもの前提で、番組が作られており、インタビューも反トレラン派の意見ばかりで、偏った内容である。
【司会者と出演者の無責任発言】
加工された放映部分だけを観て、 トレランはハイカーを危険に陥れる反社会的スポーツ、と厳しく論じていた。
【最も責任を負うべきは番組スポンサー】
番組スポンサーも一蓮托生です。 スポンサーなら番組内容に注意を払う義務があり番組を放映した最大の責任は、それを容認しているスポンサーにある。
かなり、怒りがこみ上げている内容でした。
私は、実際の当日の放送を見ていないので、TBSの噂の東京マガジンのホームページを調べてみました。そこに担当ディレクターの編集後記が以下のように示されていました。
http://www.tbs.co.jp/uwasa/genba/20140525.html
噂の現場 以下引用
2014年5月25日放送
急激な人気!! 山道を走るトレイルランニング ルールは必要か?
私は普段から丹沢や奥多摩に登っていますが、最近登山道を走っている人が多くなり気になっていました。
「トレイルランニング」(通称トレラン)という山道を走るスポーツの人気が急上昇しているというので興味があり調べたところ、現場では様々な懸念の声がありました。
奥多摩では、主催者と地元が一体となって町を盛り上げるために大会を開催しています。
参加者の多くは、もともとロード(公道のマラソン)をやっていたが、トレランは自然の中で走るので気持ちがいいといいます。スポーツとしては土の上を走り、山を楽しみながらランニングするのでとてもいいと思います。主催者も、地元の人も人のいない場所をコースとして選び、みんなで整備しているといいます。なるほどこういう町おこしもあるのかと思いました。また、参加者もとても楽しんでいるようです。
しかし、一方で登山者には、同じコースに入ると接触の危険性などがあります。
ゆっくり歩く登山者と、タイムを競うランナーが同じ場所を共有することで事故などが起こる懸念があります。環境省の調べで国立公園内での大会は年間50件以上と増えているといいます。
観光地の鎌倉では、アクセスがよく、アップダウンの少ないハイキングコースにランナーが増えて、これまで大会も行われています。
山道を整備、清掃している地元のボランティア団体は、地盤がゆるい鎌倉のハイキングコースを多くの人が走るのに不安を感じて条例規制の陳情書を提出しています。
しかし自然の山を走ってはいけない理由もなく、大会の開催は基本的には届け出の必要がないため行政では、自粛をお願いしています。またコースの持ち主が多岐にわたるため、その声をまとめることが難しいといいます。
関東では、高尾山、奥多摩、鎌倉ハイキングコース、丹沢などが人気の場所とききます。今回、こうした問題を解消して登山者と共存を目指そうとトレランの講習を行っている人にも話をききました。印象として、ほとんどのランナーは、登山者に対して気を使っているようでした。
山は安全の為に走ってはいけないと思っている登山者と、走って自然を感じたいというランナー。同じフィールドでどのように共存できるのか、今後を期待したいと思います。
これを読むと、トレイルランの長所、短所が整理されていて、特に青梅での取り組みを評価していて、それほど偏った内容とは思えません。(実際の放送内容は偏っていたかもしれませんが。)
一方で、テレビは、視聴率重視ですし、短期間で番組を作るのでシナリオありきというのは否定できません。トレイルランの短所が強調されることは十分に考えられます。
その中で、今回は、青梅の大会を取材したことで、鎌倉市の問題が、まるで、青梅市でも存在するかのような印象を持たれる放送内容で、KFCの方の怒りも納得できます。
************
しかし、反論の文章に関しては、この取材以外についての憶測での批判もあり、ちょっと感情的すぎる印象があります。
特に
【最も責任を負うべきは番組スポンサー】は、企業名を書いて批判していますが、
この番組は、提供しているスポンサーはなく、スポットCMです。
番組に関係なく、局が定める時間に挿入されるCM枠内でのCMなので、スポンサーは番組に意見を言える立場ではなく、責任があるとはいえず、この批判は不適切です。
(提供番組スポンサーだとしても、抗議すべきはテレビ局であり、企業にすべきではないと思います。)
※マラソン大会、トレイル大会では、企業からの協賛金も運営費の中で重要な位置づけであり、不用意な批判は避けた方がいいと思います。
**************
都市部のトレイルランは、今回のような問題があることも事実なので、
今回のKFCの反論については、感情的にならず、事実に反することを坦々と反論すればよかったと思います。
マラソン大会・トレイル大会は、テレビ・新聞で報じてもらって評判を得るという側面もあるので、
どのように報じられるか考えてから、取材を受ける、受けないを決める必要があるかなと今回の件で感じました。
ちなみに、成木は、奥多摩ではなく青梅市という反論もありますが、奥多摩町ではなく、奥多摩地域として、奥多摩という表現を番組で使っていると思われます。
5月25日にTBSテレビの噂の東京マガジンで取り上げられました。
その際、「成木の森トレイルラン」が取材を受けて、その模様が放送されたのですが、その件で、主催者のKFCトライアスロンクラブが以下の抗議文がホームページに掲載されました。
TBS番組「噂の!東京マガジン」に苦言を呈す
2014年5月25日(日)放映のテーマ「トレイルランニング」に関して
KFCトライアスロンクラブのホームページ
KFCの主張【作為的な番組作り】
トレイルランは、悪しきもの前提で、番組が作られており、インタビューも反トレラン派の意見ばかりで、偏った内容である。
【司会者と出演者の無責任発言】
加工された放映部分だけを観て、 トレランはハイカーを危険に陥れる反社会的スポーツ、と厳しく論じていた。
【最も責任を負うべきは番組スポンサー】
番組スポンサーも一蓮托生です。 スポンサーなら番組内容に注意を払う義務があり番組を放映した最大の責任は、それを容認しているスポンサーにある。
かなり、怒りがこみ上げている内容でした。
私は、実際の当日の放送を見ていないので、TBSの噂の東京マガジンのホームページを調べてみました。そこに担当ディレクターの編集後記が以下のように示されていました。
http://www.tbs.co.jp/uwasa/genba/20140525.html
噂の現場 以下引用
2014年5月25日放送
急激な人気!! 山道を走るトレイルランニング ルールは必要か?
私は普段から丹沢や奥多摩に登っていますが、最近登山道を走っている人が多くなり気になっていました。
「トレイルランニング」(通称トレラン)という山道を走るスポーツの人気が急上昇しているというので興味があり調べたところ、現場では様々な懸念の声がありました。
奥多摩では、主催者と地元が一体となって町を盛り上げるために大会を開催しています。
参加者の多くは、もともとロード(公道のマラソン)をやっていたが、トレランは自然の中で走るので気持ちがいいといいます。スポーツとしては土の上を走り、山を楽しみながらランニングするのでとてもいいと思います。主催者も、地元の人も人のいない場所をコースとして選び、みんなで整備しているといいます。なるほどこういう町おこしもあるのかと思いました。また、参加者もとても楽しんでいるようです。
しかし、一方で登山者には、同じコースに入ると接触の危険性などがあります。
ゆっくり歩く登山者と、タイムを競うランナーが同じ場所を共有することで事故などが起こる懸念があります。環境省の調べで国立公園内での大会は年間50件以上と増えているといいます。
観光地の鎌倉では、アクセスがよく、アップダウンの少ないハイキングコースにランナーが増えて、これまで大会も行われています。
山道を整備、清掃している地元のボランティア団体は、地盤がゆるい鎌倉のハイキングコースを多くの人が走るのに不安を感じて条例規制の陳情書を提出しています。
しかし自然の山を走ってはいけない理由もなく、大会の開催は基本的には届け出の必要がないため行政では、自粛をお願いしています。またコースの持ち主が多岐にわたるため、その声をまとめることが難しいといいます。
関東では、高尾山、奥多摩、鎌倉ハイキングコース、丹沢などが人気の場所とききます。今回、こうした問題を解消して登山者と共存を目指そうとトレランの講習を行っている人にも話をききました。印象として、ほとんどのランナーは、登山者に対して気を使っているようでした。
山は安全の為に走ってはいけないと思っている登山者と、走って自然を感じたいというランナー。同じフィールドでどのように共存できるのか、今後を期待したいと思います。
これを読むと、トレイルランの長所、短所が整理されていて、特に青梅での取り組みを評価していて、それほど偏った内容とは思えません。(実際の放送内容は偏っていたかもしれませんが。)
一方で、テレビは、視聴率重視ですし、短期間で番組を作るのでシナリオありきというのは否定できません。トレイルランの短所が強調されることは十分に考えられます。
その中で、今回は、青梅の大会を取材したことで、鎌倉市の問題が、まるで、青梅市でも存在するかのような印象を持たれる放送内容で、KFCの方の怒りも納得できます。
************
しかし、反論の文章に関しては、この取材以外についての憶測での批判もあり、ちょっと感情的すぎる印象があります。
特に
【最も責任を負うべきは番組スポンサー】は、企業名を書いて批判していますが、
この番組は、提供しているスポンサーはなく、スポットCMです。
番組に関係なく、局が定める時間に挿入されるCM枠内でのCMなので、スポンサーは番組に意見を言える立場ではなく、責任があるとはいえず、この批判は不適切です。
(提供番組スポンサーだとしても、抗議すべきはテレビ局であり、企業にすべきではないと思います。)
※マラソン大会、トレイル大会では、企業からの協賛金も運営費の中で重要な位置づけであり、不用意な批判は避けた方がいいと思います。
**************
都市部のトレイルランは、今回のような問題があることも事実なので、
今回のKFCの反論については、感情的にならず、事実に反することを坦々と反論すればよかったと思います。
マラソン大会・トレイル大会は、テレビ・新聞で報じてもらって評判を得るという側面もあるので、
どのように報じられるか考えてから、取材を受ける、受けないを決める必要があるかなと今回の件で感じました。
ちなみに、成木は、奥多摩ではなく青梅市という反論もありますが、奥多摩町ではなく、奥多摩地域として、奥多摩という表現を番組で使っていると思われます。
4 件のコメント:
番組を見ましたが、一方的な批判とは思えません
でした。番組の締めも共存共栄でしたし・・・。
協力したのに云々は、しょうがないのでは?
こうゆう姿勢が対立を呼ぶのではないか・・・。
コメントありがとうございます。(気づくのが遅れて申し訳ございません。)
やはり、実際のテレビを見てた方は、この問題に関して、あまり怒っておらず、トレラン問題について冷静な意見の方が多いという印象です。
ご指摘の通り、対立しても、トレランの抱える問題は解決しないので、冷静に考えることが大事だいと思いました。
TOMOYUKI様
客観的かつ冷静な解説ありがとうございました。
過去に当該大会に参加した者で、これらの記事について色々調べておりました。
ご指摘の内容ごもっともだと思いました。
ですが、一つ。槍玉に挙げられたKFC実行委員の心中をお察しすると、心が痛みます。
ご指摘ありがとうございます。
私も、KFC主催の大会に出場したことがあり、
KFCの方がトレラン開催のために一生懸命尽力されていることを感じております。
それ故に、トレラン問題はとても難しく、デリケートな問題であるだけに、感情的にならずに、青梅は、鎌倉と状況が異なることを説明して頂きたかったという気持ちです。
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