近年、各地でフルマラソン大会が数多く新設されました。
その中で、日光ハイウェイマラソンは、参加者数が集まらず苦戦しています。
自動車専用道路の日光宇都宮道路を利用して2014年11月から始まりましたが、第1回大会は定員の3分の1、そして、第2回はハーフマラソンを新設、各媒体にPRしましたが、定員の4分の1以下しか集まらない状況です。
2014年(第1回大会)フルマラソンのみ
エントリー 1,749人、出走者 1,428人 (定員5,000人)
2015年(第2回大会) フル、ハーフ
エントリー 1,115人、出走者 941人
出走者:フル 531人(定員2000人) ハーフ410人(定員 3,000人)
この件に関しては、地元の下野新聞で記事となっています。
今年は、参加者減で、日光市の予算から1980万円が追加支出する事態となりました。
現在の日光ハイウェイマラソンの収支状況
今年の大会の事業費は、4,860万円
資料:http://blog.livedoor.jp/konakawaheart/archives/52006052.html
日光市の負担金 3,480.5万円
当初1,500万円+追加支出1,980.5万円
出所:平成27年度日光市の予算
当日の参加者は、1,801人
フルマラソン531人(参加料8,000円)
ハーフマラソン 410人 (参加料5,000円)
ハイク 860人 (参加料1,000円)
単純に参加人数の日光市の負担額、事業費を割ると
参加者1人当たり 約27,000円の事業費がかかりうち、
約19,000円の日光市の税金となっています。
参加料収入で、フルマラソン、ハーフマラソン、ハイクそれぞれウェイト付けして費用を計算すると、
フルマラソン
1人当たり55,475円の事業費 39,729円の日光市の税金
ハーフマラソン
1人当たり32,842円の事業費 23,520円の日光市の税金
ハイク
1人当たり6,602円の事業費 4,728円の日光市の税金
東京マラソンの場合、2015年大会で、東京都の負担金 約1億4,657万円で、事業費は17億6900万円なので、
1人当たり約 50,500円の事業費 約4,200円の東京都の税金
http://www.tokyo42195.org/common/pdf/140701_plan2014.pdf
フルマラソンのランナー1人当たりで見ると、東京マラソンと比べて10倍の日光市の税金が投入されたことになります。
同じ2014年から始まった 栃木県の はが路ふれあいマラソン は、定員2500人、参加料6,000円でフルマラソンが行われていますが、
自治体の負担金は1市4町(真岡市、益子町、茂木町、市貝町、芳賀町)が200万円ずつ支出しています。
1自治体で、参加者1人当たり800円 1市4町合計で 4,000円の税金
で抑えられています。
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この数字を見ても明らかなように、現状の日光ハイウェイマラソンは、地方自治体としては、市の支出額が大きすぎて、税金の無駄使いと言われても、仕方がない状況です。
さらに、有料道路の日光宇都宮道路を封鎖して、大会が行われているということは、開催していなければ入る通行料金収入も入らず、渋滞を危惧して日光の観光を諦める、マイナスの効果も生じていることも考慮しなければいけません。
日光いろは坂女子駅伝の開催費用も重荷に
http://www.nikko-ekiden.org/
日光ハイウェイマラソンの翌日には、日光いろは坂女子駅伝が開催されます。
こちらは、女子の大学チームが対象で、6区間23.4㎞ 標高差875mのコースに、昨年は14チーム、今年は18チームが参加しました。
こちらの大会でも、日光市の予算から1500万円、栃木県から200万円負担しています。
出所:平成27年度日光市の予算
しかし、今大会は、全日本大学女子駅伝(仙台)、富士山女子駅伝 、関東大学女子駅伝(千葉・印西市)と異なり、日本学生陸上競技連合や関東学生陸上競技連携が主催も後援もしていません。日本一の立命館大学が出場しておらず、新聞報道も、地元の新聞等が中心で、スポーツ紙での報道もほとんど見かけません。
テレビ放送は、BSで後日放送しますが、こちらも大会側がお金を出して、放送して頂いてる状況のようです。
資料:http://blog.livedoor.jp/konakawaheart/archives/52006052.html テレビ関連費3000万円計上。
参加者数が少ない、このような駅伝大会の場合、参加料で運営費を賄うことはできませんので、協賛金の収入が大きなウェイトを占めることになりますが、現状の大会の注目度を考えると、とても厳しいと言わざるをえません。
日光ハイウェイマラソン 今後、改善するためには?
日光の紅葉終了後の閑散期に、新たな観光の目玉として、企画されたマラソンと駅伝ですが、多額の税金が投入されている現状を見ると、継続は難しいとしか言えません。
日光ハイウェイマラソンは、参加者が増えない原因は以下のことが考えられます。
さらに栃木県は、11月に大田原マラソン、12月さのマラソン、はが路ふれあいマラソン
隣の茨城県では、11月につくばマラソン
そして、今年から11月に、さいたま国際マラソン、ぐんま県民マラソンとフルマラソンが始まりました。
そのような状況で、高低差が厳しく、首都圏より寒い日光で、11月末に大会を開催するということは、今後も、参加者の大幅増は見込めない状況です。
観光シーズンの閑散期にマラソン大会を開催して成功した事例としては、
12月のホノルルマラソン、NAHAマラソン があげられます。
温暖な気候の地域だから、冬にランナーが集まるのであって、日光の気候、地形でマラソン大会を開くのであれば、この季節は向いていません。
(もし継続するのであれば)
日光は、夏がマラソンシーズン
一方で、日光でも人気のマラソン大会があります。
8月の日光杉並木マラソンは、最長で10kmの大会でありながら、夏でもコースが杉並木の日陰で涼しく、定員2500人を超えて、抽選を行うほど人気です。
http://www.sugima.org/
白馬や斑尾などスキー場の閑散期の夏にトレイルランの大会で人気を集めています。継続するのは難しいと思いますが、日光でマラソン大会を開催するのであれば、夏に企画すべきだと思います。
日光いろは坂女子駅伝はオープン化
駅伝に関しては、参加を大学に限定している意義は、現状ありません。参加料収入も見込めません。
女子駅伝の中では、
福井スーパーレディス駅伝が良い事例となると思います。
この駅伝は、大学、実業団、都道府県チーム、そして、一般の市民ランナーにも門戸を開いている大会です。特に、今年は、実業団女子駅伝がシード制を設けられて、シード権のあるチームが予選が免除されたため、調整レースとしてこの大会に参加するようになり、ダイハツの前田彩里選手、ヤマダ電機の西原加純選手といった世界陸上経験者も出場しています。
駅伝の場合は、走る人以外のサポートメンバーも数多く必要になるので、参加チームが増えれば、参加料収入に加え、宿泊者も増え、応援も増えることが見込まれます。
したがって、大学に限定せず、実業団、一般のチームに門戸を広げるというのも一つの考えだと思います。
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以上、色々と書いてきましたが、数字だけ見ると、日光市民が黙っていないと思うので、継続は難しいと思いますが、どのような判断を日光市がするか見守りたいと思います。
その中で、日光ハイウェイマラソンは、参加者数が集まらず苦戦しています。
自動車専用道路の日光宇都宮道路を利用して2014年11月から始まりましたが、第1回大会は定員の3分の1、そして、第2回はハーフマラソンを新設、各媒体にPRしましたが、定員の4分の1以下しか集まらない状況です。
2014年(第1回大会)フルマラソンのみ
エントリー 1,749人、出走者 1,428人 (定員5,000人)
2015年(第2回大会) フル、ハーフ
エントリー 1,115人、出走者 941人
出走者:フル 531人(定員2000人) ハーフ410人(定員 3,000人)
この件に関しては、地元の下野新聞で記事となっています。
今年は、参加者減で、日光市の予算から1980万円が追加支出する事態となりました。
日光ハイウェイマラソンの申し込み低調記事では公認がとれなかったことが原因としていますが、・首都圏から当日入りが困難な場所で、土曜日開催であること・コースが有料道路で、沿道の応援、私設エイドの期待ができないこと等が、要因になっていると思います。 公式 http://www.nikko-highway.org/
Posted by マラソン経済研究所 on 2014年9月18日
11/28(土)開催 第2回日光ハイウェイマラソンも参加者伸びず日光市が大会運営費1980万円追加支出http://www.nikko-highway.org/昨年エントリー(フルマラソン、10kmハイク)3369人今年エントリー...
Posted by マラソン経済研究所 on 2015年11月10日
現在の日光ハイウェイマラソンの収支状況
今年の大会の事業費は、4,860万円
資料:http://blog.livedoor.jp/konakawaheart/archives/52006052.html
日光市の負担金 3,480.5万円
当初1,500万円+追加支出1,980.5万円
出所:平成27年度日光市の予算
当日の参加者は、1,801人
フルマラソン531人(参加料8,000円)
ハーフマラソン 410人 (参加料5,000円)
ハイク 860人 (参加料1,000円)
単純に参加人数の日光市の負担額、事業費を割ると
参加者1人当たり 約27,000円の事業費がかかりうち、
約19,000円の日光市の税金となっています。
参加料収入で、フルマラソン、ハーフマラソン、ハイクそれぞれウェイト付けして費用を計算すると、
フルマラソン
1人当たり55,475円の事業費 39,729円の日光市の税金
ハーフマラソン
1人当たり32,842円の事業費 23,520円の日光市の税金
ハイク
1人当たり6,602円の事業費 4,728円の日光市の税金
東京マラソンの場合、2015年大会で、東京都の負担金 約1億4,657万円で、事業費は17億6900万円なので、
1人当たり約 50,500円の事業費 約4,200円の東京都の税金
http://www.tokyo42195.org/common/pdf/140701_plan2014.pdf
フルマラソンのランナー1人当たりで見ると、東京マラソンと比べて10倍の日光市の税金が投入されたことになります。
同じ2014年から始まった 栃木県の はが路ふれあいマラソン は、定員2500人、参加料6,000円でフルマラソンが行われていますが、
自治体の負担金は1市4町(真岡市、益子町、茂木町、市貝町、芳賀町)が200万円ずつ支出しています。
1自治体で、参加者1人当たり800円 1市4町合計で 4,000円の税金
で抑えられています。
======
この数字を見ても明らかなように、現状の日光ハイウェイマラソンは、地方自治体としては、市の支出額が大きすぎて、税金の無駄使いと言われても、仕方がない状況です。
さらに、有料道路の日光宇都宮道路を封鎖して、大会が行われているということは、開催していなければ入る通行料金収入も入らず、渋滞を危惧して日光の観光を諦める、マイナスの効果も生じていることも考慮しなければいけません。
日光いろは坂女子駅伝の開催費用も重荷に
http://www.nikko-ekiden.org/
日光ハイウェイマラソンの翌日には、日光いろは坂女子駅伝が開催されます。
こちらは、女子の大学チームが対象で、6区間23.4㎞ 標高差875mのコースに、昨年は14チーム、今年は18チームが参加しました。
こちらの大会でも、日光市の予算から1500万円、栃木県から200万円負担しています。
出所:平成27年度日光市の予算
しかし、今大会は、全日本大学女子駅伝(仙台)、富士山女子駅伝 、関東大学女子駅伝(千葉・印西市)と異なり、日本学生陸上競技連合や関東学生陸上競技連携が主催も後援もしていません。日本一の立命館大学が出場しておらず、新聞報道も、地元の新聞等が中心で、スポーツ紙での報道もほとんど見かけません。
テレビ放送は、BSで後日放送しますが、こちらも大会側がお金を出して、放送して頂いてる状況のようです。
資料:http://blog.livedoor.jp/konakawaheart/archives/52006052.html テレビ関連費3000万円計上。
参加者数が少ない、このような駅伝大会の場合、参加料で運営費を賄うことはできませんので、協賛金の収入が大きなウェイトを占めることになりますが、現状の大会の注目度を考えると、とても厳しいと言わざるをえません。
日光ハイウェイマラソン 今後、改善するためには?
日光の紅葉終了後の閑散期に、新たな観光の目玉として、企画されたマラソンと駅伝ですが、多額の税金が投入されている現状を見ると、継続は難しいとしか言えません。
日光ハイウェイマラソンは、参加者が増えない原因は以下のことが考えられます。
- 首都圏から当日入りが困難な場所で、土曜日開催。遠方からは、金曜日を休まなければ参加が難しいこと
- コースが有料道路で、沿道の応援、私設エイドの期待ができないこと
- マラソンシーズンなのに高低差が厳しく、記録を狙いにくいこと
さらに栃木県は、11月に大田原マラソン、12月さのマラソン、はが路ふれあいマラソン
隣の茨城県では、11月につくばマラソン
そして、今年から11月に、さいたま国際マラソン、ぐんま県民マラソンとフルマラソンが始まりました。
そのような状況で、高低差が厳しく、首都圏より寒い日光で、11月末に大会を開催するということは、今後も、参加者の大幅増は見込めない状況です。
観光シーズンの閑散期にマラソン大会を開催して成功した事例としては、
12月のホノルルマラソン、NAHAマラソン があげられます。
温暖な気候の地域だから、冬にランナーが集まるのであって、日光の気候、地形でマラソン大会を開くのであれば、この季節は向いていません。
(もし継続するのであれば)
日光は、夏がマラソンシーズン
一方で、日光でも人気のマラソン大会があります。
8月の日光杉並木マラソンは、最長で10kmの大会でありながら、夏でもコースが杉並木の日陰で涼しく、定員2500人を超えて、抽選を行うほど人気です。
http://www.sugima.org/
白馬や斑尾などスキー場の閑散期の夏にトレイルランの大会で人気を集めています。継続するのは難しいと思いますが、日光でマラソン大会を開催するのであれば、夏に企画すべきだと思います。
日光いろは坂女子駅伝はオープン化
駅伝に関しては、参加を大学に限定している意義は、現状ありません。参加料収入も見込めません。
女子駅伝の中では、
福井スーパーレディス駅伝が良い事例となると思います。
この駅伝は、大学、実業団、都道府県チーム、そして、一般の市民ランナーにも門戸を開いている大会です。特に、今年は、実業団女子駅伝がシード制を設けられて、シード権のあるチームが予選が免除されたため、調整レースとしてこの大会に参加するようになり、ダイハツの前田彩里選手、ヤマダ電機の西原加純選手といった世界陸上経験者も出場しています。
駅伝の場合は、走る人以外のサポートメンバーも数多く必要になるので、参加チームが増えれば、参加料収入に加え、宿泊者も増え、応援も増えることが見込まれます。
したがって、大学に限定せず、実業団、一般のチームに門戸を広げるというのも一つの考えだと思います。
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以上、色々と書いてきましたが、数字だけ見ると、日光市民が黙っていないと思うので、継続は難しいと思いますが、どのような判断を日光市がするか見守りたいと思います。
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