2016年6月10日金曜日

2016土佐乃国横断遠足 (室戸岬-足摺岬 242km) その4

第3回土佐乃国横断遠足 242km(制限60時間)
つづきです。

アクアクララ

2016年5月29日(日)正午 四万十市・四万十大橋 ゴールまで残り42km

一緒に並走していたランナーが棄権することになり、ここから再び単独走に。

完走者情報も入ってきて、3年連続完走者は3人だけ、自分が完走できれば4人。
2年前、一緒にフィニッシュした5人のメンバーで、走り続けているのは自分1人だけ、色々な人の思いを背負って足摺岬のフィニッシュを目指すことになりました。

ラスト・フルマラソンの距離、一昨年は脱水症状で意識障害を起こして地獄を見て、昨年は快調に走りきった道。
一昨年は約12時間、昨年は7時間。果たして、今年はどうなるか。


7時間で走れば、明るいうちにゴールできるので、それを目標にして走り出すのですが、キロ10分かかっています。結構、頑張って走っているつもりでしたが、早歩き程度のスピードのようです。

四万十大橋を渡り、四万十川沿いをしばらく走ると、雨も一旦おさまり、雨具を着ていると暑く感じました。


四万十市手前で抜いたランナーに再び抜かれ、自分の走りの勢いのなさを感じました。


昨年よりは足取りが重いですが、一昨年よりはしっかりとした状態で進んでいきます。


そして、長い上り坂の後、約1.6km続く長い伊豆田トンネルに入りました。


足取りが悪く、なかなか進みません。トンネルが長く、少しうとうとし始めました。


それでも、何とか無事に通過して、最後の街・土佐清水市に入りました。


再び、雨が降り始めて、気温も下がってきました。ドライブインでトイレ休憩をして再スタート、ここからまだ30km以上あります。


昨年、一昨年とお世話になった文旦ジュースが美味しいたこ焼き屋さん、今年は時間がなく、素通りしました。


そして、残り26km、最後のコンビニに到着しました。ここで、数人のランナーと一緒になりました。いなり寿司など食べて、ラストに備えました。


午後3時前に出発、一昨年、意識を失った坂が近づいてきました。
すると、坂の上りに入る手前で、お坊さんらしき人に声をかけられ、「何の大会ですか」と聞かれて、「室戸岬から足摺岬まで走ります」と答えると、せんべいを頂きました。


2年前も、意識を失って、道に迷った時に、見知らぬおばあさんから、小夏3つ、頂くと言うことがあったのですが、また、見知らぬ方から、意識を失った坂で頂きものをして、何とも縁を感じました。


ここからフィニッシュまでが険しい上り坂、下り坂が続く道、ここから正念場となります。


雨も降り続いています。


何とか走り続けていますが、かなり足取りが鈍くなってきました。

そして、立ち止まることが多くなりました。

また、睡魔が襲ってきて、時折、うとうとし始めます。
車からの応援で、正気に戻って走り始めます。


しかしペースは遅くなり、日没までのゴールは諦めました。


そして、一昨年、間違えて曲がった道を直進して、遍路道を目指します。


過去2年とは、天気が異なり、じっとしていると寒さで凍えそうな感じです。
走りよりも、歩くことが増えてきましたが、足は止めないようにします。



遍路道は、逆走していないか心配しながら、進んでいきます。


遍路道を抜けると、残り13km、午後6時でした。
ここで大会事務局に通過の連絡を入れました。


雨が降りしきる中、再び、走り始めます。


腰を曲げなから歩いているランナーを追い抜きました。ここまで来ると、みんないっぱい、いっぱいです。


午後6時半に、窪津漁港に到着。ここで、実質最後の自販機があり、念のため、購入するとともに、コンビニ購入していた食べ物を補給して、残り10kmに備えました。


ここから再び、厳しい上り坂があります。歩きを交えて、上りきり、足摺岬までのフィニッシュを目指します。

しかし、辺りが暗くなり始めると、街灯がほとんどない道で真っ暗で、方向感覚がつかめなくなってきました。

過去2回完走しているものの、1回目はほとんど記憶なく、昨年の記憶だけが頼りですが、昨年と同じ道を走っている感覚がなく、道を間違えているのではないかと思い始めます。

それでも、途中、車からの応援があることで、安心してその道を進みます。

しかし、GPS時計も電池切れで、残り距離も分からなくなり、いつになったらゴールなのか、分からなく、制限時間までに間に合うか不安にも感じ始めます。

途中、居眠りしかけますが、ふと意識が戻ると、足取りは、さっきよりも良くなって、走れるようになってきました。

喉の渇きを感じますが、立ち止まってリズムが変わるのが嫌で走り続けます。
上り坂なのか、下り坂なのかも分からなくなっていました。

かっこ良く言えば、"無の境地" になっている状態ですが、一昨年前の意識障害に近い、結構ギリギリの状態になっていたかもしれません。

ようやく足摺岬2kmの看板が見え、前を歩くランナーを抜きました。
最後は無心で、ただ走ることに専念して、強い雨の中を進んでいきました。

足の痛みも忘れて、ゴールを目指していました。

そして、光が見えて、長く苦しんだ旅路の終わりが近づいてきました。


足摺岬の観光案内所に到着、雨の中、スタッフが待っていました。

ここから、一旦、展望台に上がって、足摺岬灯台と海を見るのですが、今年は到着が遅れ、真っ暗で何にも見えませんでした。

午後8時21分、フィニッシュテープを切ってゴール、記録59時間21分。
過去3回ではワーストの記録ですが、3年連続完走することができました。


フィニッシュ後、過去3年で一番辛く、かなり足を引きずりながら、移動していました。
温泉では、少し眠ってしまいました。

フィニッシュ後の施設、足摺区長場では、豪華な食事が用意されていて、すでにフィニッシュした人たちで宴が続いていました。



昨年、一昨年とビールを飲んでいましたが、今回は疲れの方がひどくて、飲まずに食べることだけに専念しました。

そして、いつの間にか、眠っていました。

5月30日(月)大会翌日

足の痛みはありましたが、天気が回復したので、昨日、見ることができなかった足摺岬のジョン万次郎と灯台を見に散策しました。



そういえば、桂浜の坂本竜馬像も昨年、一昨年はしっかり見てきたのですが、今年は疲れていて、見ることなく通過したので、ギリギリの戦いだったなと改めて感じました。




朝食をいただいて、午前9時前にマイクロバスで足摺岬を後にしました。




過去2年は、帰りのバスは走ってきたコースをチェックしていたのですが、今回はかなり眠っていました。


途中、土佐佐賀の道の駅と四万十町の水車亭に立ち寄り、お土産を購入、塩ソフトクリームもいただきました。





午後1時頃、高知龍馬空港に到着、空港でカツオのたたき丼を食べて、東京に戻りました。


羽田空港から自宅までの電車移動は、立っていられなくて、いつもより時間をかけて帰宅しました。

第1回大会は、マラソン大会47都道府県制覇の最後の地として、初の242キロ出場
第2回大会は、第1回大会で脱水症状で意識を失って、かろうじて完走したことへのリベンジ

という位置付けもあり、過去2回は、かなりモチベーションが高い中で参加していました。

今回は、第2回が宿泊をして健康的に55時間台でフィニッシュできたので、52時間台であれば無理せずフィニッシュすることは可能であると思って出場しましたが、そんなに甘くはありませんでした。

大会までの練習量、体調も万全とは言い切れず、その中で序盤の暑さでつまづいてしまい、結局、それが最後まで響いて挽回できずに終わってしまいました。

それでも、過去の経験と多くの方のサポートのおかげで、完走することだけはできました。ウルトラで過去1回、完走できなかったことがあるのですが、その時、時間が経過してから徐々にこみ上げてくる悔しさを経験していたので、2度とその経験はしたくないという思いで、最後の最後で、ダメな走りでしたが踏みとどまることができました。

来年は参加希望者増で、抽選等が検討されているようなので、どうなるか分かりませんが、
今年3回目走っている最中は、ずっと辛くて、今回を最後にしようと思っていたのですが。。。時間が経過すると、また走りたい気持ちも出てきましたが、

いずれにせよ、今回以上の強いモチベーション やる気がないと苦しむことになるので、次回以降はじっくり考えて決めることにしたいと思います。


2016土佐乃国横断遠足242km(室戸岬-足摺岬)ダイジェスト  動画https://youtu.be/6ZfZFCWlMYE

公式Facebook https://www.facebook.com/tosanokuni?fref=ts

タイム 59時間21分 (36位/54人中)
2015年 55時間48分 (27位/43人中) 
2014年 58時間48分 (17位/21人中)

2016年 /  2015年  /   2014年
27km : 3時間24分 /   3時間08分 /  3時間08分 (奈半利)
60km : 9時間44分  /  8時間18分 / 8時間12分(夜須)
82km  : 14時間20分 /  12時間15分  /  12時間05分 (桂浜)
153km : 33時間19分 /   31時間44分  /  28時間50分 (四万十町)
202km : 50時間34分 /   48時間36分  /  46時間40分 (四万十大橋) 

出走者:54人(うち女性10人) (2015年43人、2014年21人)
完走者:39人 (うち女性7人)(2015年38人、2014年17人)
完走率:72.2% (2015年88.4%、2014年81.0%)
トップタイム34時間42分(2015年 38時間33分、2014年 38時間30分)
48時間以内完走者:15人 (2015年12人、2014年4人)

参加賞:ポロシャツ、タンブラー、蛍光テープ

第3回 2016土佐乃国横断遠足 (室戸岬ー足摺岬 242km)  完走記
(その1)  http://bit.ly/215rvFX
(その2) http://bit.ly/1OdvGP5
(その3) http://bit.ly/1YgfwXf
(その4) http://bit.ly/1sxyvAr

第2回 2015土佐乃国横断遠足 (室戸岬ー足摺岬 242km)  完走記
(その1) http://bit.ly/1G2Wk8p
(その2) http://bit.ly/1J8mPtQ
(その3) http://bit.ly/1SKXQ2L
(その4) http://bit.ly/1SQugso

第1回 2014土佐乃国横断遠足 (室戸岬ー足摺岬 242km)  完走記
(その1) http://bit.ly/1tpRR3G
(その2) http://bit.ly/1nzo9fk
(その3) http://bit.ly/1ez8QjX
(その4) http://bit.ly/1J8rz14
(その5) http://bit.ly/1dzqtjw
(その6) http://bit.ly/1JWMUey
土佐の国横断遠足

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マラソンの記録

【フルマラソン】

◆男子世界記録 2時間00分35秒 ケルビン・キプタム(ケニア) 2023年10月 シカゴマラソン (2分51秒5/km)

◆男子日本記録 2時間04分56秒 鈴木 健吾 2021年2月 びわ湖毎日マラソン(2分57秒7/km)

◆女子世界記録 2時間09分56秒 ルース・チェプンゲティッチ (ケニア) 2024年10月 シカゴマラソン (3分05秒/km)

◆女子日本記録 2時間18分59秒 前田穂南 2024年1月 大阪国際女子マラソン (3分18秒/km)

◆自己記録  3時間37分32秒 2013年12月 青島太平洋マラソン(5分09秒/km)


【100km】

◆男子世界記録 6時間05分35秒 Aleksandr SOROKIN (リトアニア)  2023年5月 Vilnius (LTU) (3分39秒/km)

◆女子世界記録 6時間33分11秒 安部 友恵 (日本) 2000年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分56秒/km)

◆自己記録 12時間13分41秒  2009年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン(7分20秒/km)

記録

【ハーフマラソン】
◆男子世界記録
 57分30秒 Y.ケジェルチャ(エチオピア) 2024年10月(スペイン・バレンシア)(2分44秒/km)
◆男子日本記録 1時間00分00秒 小椋 裕介 2020年2月(香川丸亀国際ハーフ)(2分50秒6/km)
◆女子世界記録 1時間02分52秒 レテセンベト・ギデイ(エチオピア)2021年10月スペイン・バレンシアハーフマラソン (2:58.8/km)
◆女子日本記録 1時間06分38秒 新谷仁美 2020年1月 米国・ヒューストンハーフマラソン (3:09.5/km)
◆自己記録  1時間37分12秒 2013年11月 江東シーサイドマラソン(4分36秒/km)