横浜マラソンの距離について
フルマラソンは186.2m
10kmは 94.1m
距離が不足していたため、日本陸連公認コースとはならなかったと発表がありました。
http://www.yokohamamarathon.jp/2015/dl/20150407.pdf
新聞やテレビで大きく報道していますが、ちょっと誤解している記述が見られるので、整理したいと思います。
◆首都高速をコースにしないと実現しなかったフルマラソン
幹線道路が多く、渋滞も多い横浜での市民参加型のフルマラソンは不可能だと思われていましたが、首都高速をコースに利用することで、関内、みなとみらい地区以外の一般道は、午前中の交通規制だけですみ、交通渋滞は最小限に抑えることができました。
◆高速道路を利用する「ちばアクアラインマラソン」も非公認
日本陸連の公認コースを取得するための距離計測は、自転車による計測のため、高速道路での測定は、道路を通行止めにしない限り不可能なため、事前に計測できません。
したがって、第1回の横浜マラソンは、大会当日に計測を行って、公認条件の距離42.195km〜42.237kmの場合のみ公認コースとなる予定でしたが、その距離にならず非公認となりました。
同じく高速道路を利用している「ちばアクアラインマラソン」は、大会当日の計測しかできないため非公認コースとなっています。(ただし、当日の距離計測で42.21778kmと判明しています。)
1回の計測で、誤差42mの範囲に収まることは、至難の業なので、距離が足りなくても、あまり驚くことではありません。(通常の大会では、距離を長めに設定することが多いですが。)
私も横浜マラソン走りましたが、アクアラインと違い、首都高速は直線ではなく、右カーブが続き、距離のずれが生じても仕方ないと感じます。
◆横浜マラソンは公認大会ではない
一部の記事では、距離が短いため記録は公認されないとの記述がありましたが、これは誤りです。
日本陸連登録者でかつ公認大会で出した記録でなければ、公認記録となりません。
仮に今回の計測で距離が正確であったとしても横浜マラソンは、公認大会ではありませんから、公認記録とはなりません。
したがって、今回第1回横浜マラソンで、福岡国際マラソン(2時間40分)や大阪国際女子マラソン(3時間13分)等の参加標準記録よりも速いタイムで走っても、出場資格を得る事は元々できません。
ただし、最近、北海道マラソンや大阪マラソン等、公認コースの記録を申請タイムや出場資格としている大会に関しては、今回、公認コースになっていれば対象となっていた可能性があります。
※公認大会とは、公認競技場(公認コース)を使用していることは当然ながら、日本陸連あるいは都道府県陸協(またはその傘下の地区陸協)、などが主催または主管し、公認審判員が競技審判を行っていることが条件となります。
◆10kmの部が94.1m不足していた事の方が問題
横浜マラソンの運営を擁護した意見が続きましたが、横浜マラソンの運営側に問題が全くなかったとも言えません。
まず、横浜マラソンは、元々陸連公認大会ではないのですから、距離が短くても隠さず、すぐに距離を公表すればよかったと思うのですが、発表を遅らせたことが、逆に事を大きくしたと思います。
そして、高速道路を使用せず、コースの3分の1が公道ではなく山下公園、山下埠頭を通る10kmの部が94.1m不足していたのは問題です。10kmの部については、他の大会と同様に大会事前に距離を確認することは可能ですので、この点は責められても仕方ないと思います。
◆横浜マラソンが公認大会となるのは2年後の可能性が高い
記者会見では、次回大会に公認コース申請を目指すと述べていますが、大会ではない日に首都高を通行止めして再計測することは考えられないので、次回計測は来年の大会当日になると思われます。そうなると、公認コースになるか、ならないか分からない状態で公認大会を行うことは考えにくいので、公認大会は早くても2年後となる可能性が高いと思われます。
通常は、マラソンコースは距離不足にならないよう若干、距離長めに設定することが多く、計測機会が限られている横浜マラソンの場合は、その点を考慮して長めに設定すべきだったと思います。
◆ボストンマラソン、LAマラソンも非公認コース
WMM(ワールドマラソンメジャーズ)世界6大マラソンの1つボストンマラソンは、ワンウェイの下りコースで未公認コースで、2011年には当時の世界記録より速い2時間3分2秒でジェフリームタイ選手が走りましたが、公認されませんでした。それでも、ボストンマラソンは決してコースを変更しません。
米国ロサンゼルスマラソンもワンウェイコースで未公認です。
したがって、公認コースでない大会はフルマラソンではないのか?公認記録は公認コースである必要がありますが、フルマラソンを完走したという事実については、公認コースにこだわるか、こだわらないか、各々個人の考え方の問題です。
◆42.195kmにこだわりすぎる国民性?
諸外国ではフルマラソンは、42.2kmだったり、26.2マイルで現すことが多く、日本ほど42.195kmにこだわっている国はありません。
今回の件をみても、とても距離に敏感な国だと感じます。
横浜で完走したことが大事で、もう少し、おおらかになってもいいかなとも思います。
(とはいえ、初サブ4、初サブ3達成した人にしてみればとても複雑な心境だと察しますが。)
*************************
● 42.195kmにこだわり過ぎる日本人
● ミスに厳しい日本人
● ミスを隠したがる日本人
今回の件、典型的な日本人の話のような気がします。
追記
2015年5月〜12月のフルマラソン大会(公認コースと非公認コースの区別あり)
http://marathon-world.blogspot.jp/2015/03/2015512.html
横浜マラソン ホームページ
http://www.yokohamamarathon.jp/2015/
フルマラソンは186.2m
10kmは 94.1m
距離が不足していたため、日本陸連公認コースとはならなかったと発表がありました。
http://www.yokohamamarathon.jp/2015/dl/20150407.pdf
新聞やテレビで大きく報道していますが、ちょっと誤解している記述が見られるので、整理したいと思います。
◆首都高速をコースにしないと実現しなかったフルマラソン
幹線道路が多く、渋滞も多い横浜での市民参加型のフルマラソンは不可能だと思われていましたが、首都高速をコースに利用することで、関内、みなとみらい地区以外の一般道は、午前中の交通規制だけですみ、交通渋滞は最小限に抑えることができました。
◆高速道路を利用する「ちばアクアラインマラソン」も非公認
日本陸連の公認コースを取得するための距離計測は、自転車による計測のため、高速道路での測定は、道路を通行止めにしない限り不可能なため、事前に計測できません。
したがって、第1回の横浜マラソンは、大会当日に計測を行って、公認条件の距離42.195km〜42.237kmの場合のみ公認コースとなる予定でしたが、その距離にならず非公認となりました。
同じく高速道路を利用している「ちばアクアラインマラソン」は、大会当日の計測しかできないため非公認コースとなっています。(ただし、当日の距離計測で42.21778kmと判明しています。)
1回の計測で、誤差42mの範囲に収まることは、至難の業なので、距離が足りなくても、あまり驚くことではありません。(通常の大会では、距離を長めに設定することが多いですが。)
私も横浜マラソン走りましたが、アクアラインと違い、首都高速は直線ではなく、右カーブが続き、距離のずれが生じても仕方ないと感じます。
一部の記事では、距離が短いため記録は公認されないとの記述がありましたが、これは誤りです。
日本陸連登録者でかつ公認大会で出した記録でなければ、公認記録となりません。
仮に今回の計測で距離が正確であったとしても横浜マラソンは、公認大会ではありませんから、公認記録とはなりません。
したがって、今回第1回横浜マラソンで、福岡国際マラソン(2時間40分)や大阪国際女子マラソン(3時間13分)等の参加標準記録よりも速いタイムで走っても、出場資格を得る事は元々できません。
ただし、最近、北海道マラソンや大阪マラソン等、公認コースの記録を申請タイムや出場資格としている大会に関しては、今回、公認コースになっていれば対象となっていた可能性があります。
※公認大会とは、公認競技場(公認コース)を使用していることは当然ながら、日本陸連あるいは都道府県陸協(またはその傘下の地区陸協)、などが主催または主管し、公認審判員が競技審判を行っていることが条件となります。
◆10kmの部が94.1m不足していた事の方が問題
横浜マラソンの運営を擁護した意見が続きましたが、横浜マラソンの運営側に問題が全くなかったとも言えません。
まず、横浜マラソンは、元々陸連公認大会ではないのですから、距離が短くても隠さず、すぐに距離を公表すればよかったと思うのですが、発表を遅らせたことが、逆に事を大きくしたと思います。
そして、高速道路を使用せず、コースの3分の1が公道ではなく山下公園、山下埠頭を通る10kmの部が94.1m不足していたのは問題です。10kmの部については、他の大会と同様に大会事前に距離を確認することは可能ですので、この点は責められても仕方ないと思います。
◆横浜マラソンが公認大会となるのは2年後の可能性が高い
記者会見では、次回大会に公認コース申請を目指すと述べていますが、大会ではない日に首都高を通行止めして再計測することは考えられないので、次回計測は来年の大会当日になると思われます。そうなると、公認コースになるか、ならないか分からない状態で公認大会を行うことは考えにくいので、公認大会は早くても2年後となる可能性が高いと思われます。
通常は、マラソンコースは距離不足にならないよう若干、距離長めに設定することが多く、計測機会が限られている横浜マラソンの場合は、その点を考慮して長めに設定すべきだったと思います。
◆ボストンマラソン、LAマラソンも非公認コース
WMM(ワールドマラソンメジャーズ)世界6大マラソンの1つボストンマラソンは、ワンウェイの下りコースで未公認コースで、2011年には当時の世界記録より速い2時間3分2秒でジェフリームタイ選手が走りましたが、公認されませんでした。それでも、ボストンマラソンは決してコースを変更しません。
米国ロサンゼルスマラソンもワンウェイコースで未公認です。
したがって、公認コースでない大会はフルマラソンではないのか?公認記録は公認コースである必要がありますが、フルマラソンを完走したという事実については、公認コースにこだわるか、こだわらないか、各々個人の考え方の問題です。
◆42.195kmにこだわりすぎる国民性?
諸外国ではフルマラソンは、42.2kmだったり、26.2マイルで現すことが多く、日本ほど42.195kmにこだわっている国はありません。
今回の件をみても、とても距離に敏感な国だと感じます。
横浜で完走したことが大事で、もう少し、おおらかになってもいいかなとも思います。
(とはいえ、初サブ4、初サブ3達成した人にしてみればとても複雑な心境だと察しますが。)
*************************
● 42.195kmにこだわり過ぎる日本人
● ミスに厳しい日本人
● ミスを隠したがる日本人
今回の件、典型的な日本人の話のような気がします。
追記
2015年5月〜12月のフルマラソン大会(公認コースと非公認コースの区別あり)
http://marathon-world.blogspot.jp/2015/03/2015512.html
横浜マラソン ホームページ
http://www.yokohamamarathon.jp/2015/
5 件のコメント:
さらに誤解を深めているようですが、非公認コースを使用した公認大会というのもありますので念のため。もちろんその大会での記録は公認されません。
ありがとうございます。
2013年の田沢湖マラソンのように、土石流災害で急遽コースが変更されて記録が公認されなかったケースはありましたが、原則、フルマラソンの公認大会は公認コースで行われている思います。
http://www.jaaf.or.jp/athleticclub/pdf/athleticclub_04.pdf
確か開催案内には『陸連公認申請予定』と有った気がします。
そうであれば大会としては公認申請した時点で役目を果たしているので胸を張って義務を果たしましたと言えると思います。
そして世間に公認レースと公認コースとフルマラソンの大会と言う意味をごっちゃにして面白おかしく報道して話題にしているのはメディアかな~と思えます。
長い短いは別にして非公認レースで距離がいい加減な大会は沢山有るので何でこんなに問題にするのかは不思議でしょうがありません。
10キロが短いのはかなり手抜きだと思いますけどね。
ありがとうございます。おっしゃる通りだと思います。
今回、非公認コースとして大会を行っていれば、距離を公表する必要もなく、大騒ぎすることなかったのですが、「公認コース申請予定」にしてしまったことが裏目に出た感じでしたね。
10キロの部はさすがに問題ですが。
大阪淀川ウルトラマラソンの50kmの部なんて、3kmも短かったよ。先導自転車の誘導ミスで。
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