2017年9月9日土曜日

2017ベルリンの壁一周マラソン(100マイル・ベルリン)(その4)

2017年8月4日〜8月16日 
ロンドンーアムステルダムーベルリン
つづきです

海外ツアー

第6回100マイル・ベルリン ベルリンの壁一周マラソン 161.7km
Der Mauerweglauf / 100MeilenBerlin / The Berlin Wall Race 2016
2017年8月12日-13日

2017年8月12日(土)午後9時50分 スタートから103km 

休憩している間に雨は、ほぼ止みました。

大きな花火の音が聞こえるのですが、どこなのかは分かりません。


エイドから戻り、復路は、往路の道と通りを挟んで、反対側の歩道を走ります。

そして、横道に入り、森の中へ、ここからは、夜明けまで、暗闇との戦いになります。

真っ暗になると、走るのは転倒のリスクが大きいので、早歩きで進んでいきます。

今までは、道路に書かれた蛍光の矢印を頼りに進んできましたが、夜になると見えづらくなります。

目の高さに青く光る矢印も備えられていますが、小さくて、注意しないとコースロストしてしまいます。

森を抜けると、住宅街へ
家の方が、私設エイドを出してくれました。


日本から来たことに驚いていました。

コースは、テレビ朝日さくら平和通りに。
ベルリンの壁の跡地を桜並木にするチャリティ活動によって、植えられた桜が春になると満開で、お花見客で賑わっているそうです。

昨年は、逆回りなので、明るい時間帯に通過できましたが、今年は残念ながら真っ暗闇で看板だけしか見えませんでした。


109.7kmの第18エイドに到着。時間は23時を過ぎていました。
徐々に睡魔が襲ってきました。




昨年は日本人ランナーと深夜は並走していたので、睡魔は最低限で我慢することができたのですが、今年は単独走で、前後のランナーと離れてしまい、時折、追い抜いていくランナーについていくこともできませんでした。



そして、3度目の大会、緊張感も薄らぎ、今年はロンドン滞在中から寝不足状態が続き、そして、静かな田舎道。眠りにつく要因が揃ってしまいました。

うとうとしながら、歩いています。
眠り落ちて身体のバランスを崩して、目を覚ます。そして、再び歩く、そんな状態が続きました。

そして、今年若干コースが変更になった箇所、真っ暗な十字路で、矢印を探していると、道端に立っているおじいさんが、急に喋り出し、コースはあっちだよと伝えてくれました。


あれは、本物か、幻か。今年一番、怖い瞬間でした。あまり、余計なことを考えずに進むことにしました。(怖さを感じましたが、睡魔もすぐにまた襲ってきました。)

ようやく、115.4kmの第19エイドに到着。気がつくと1キロ15分以上かかっていました。


脱水症状が怖くて、レース中控えていたコーヒー、この日はその心配は少ないので、飲むことにしました。


再び、スタートしますが、すぐに眠くなってしまいました。


森の中、うとうとしながら歩き続け、119kmの第20エイドに到着。椅子で5分ほど仮眠を取ることにしました。


再び、スタートしますが、なかなか状況が改善しません。足の痛みは耐えられるものですが、眠気がこの日は全く耐えられません。


気がつくと2年前と比べて、貯金が徐々に減っていってしまいました。

日本選手も徐々にゴールしている情報が入ってきていますが、自分はまだまだ40km以上、先は長いです。



そして、着実に走っていた77歳の最高齢女性ランナーに追い抜かれました。
励ましの言葉も頂きました。昨年は先着しただけに、今年は自分の不甲斐なさを感じます。


126.2km 大きな熊の置物が名物の第21エイドに到着。時刻は午前3時を過ぎていました。


ここで10分、再び、仮眠をとりました。ボランティアの方が銀色のシートをかけて頂きました。


起きて、再び、走り始めます。次のエイドは、Rudow 地下鉄の駅で街中になります。そこまで、行けば、眠気がおさまるのではないかと思って、歩き続けます。

途中、道に迷いかけますが、バスの運転手さんや住民の方に助けられ、大きなロスなく進んでいきます。ただ、眠さだけが続いています。

131.1km Rudowの第22エイドに到着。時刻は午前4時50分過ぎ、森の中の道は終わり、ベルリンの都会への道になります。夜明けも近づき、そろそろ眠気もおさまりそうです。



途中、トイレに入って、ようやく身体が目を覚ましてきました。


しかし、まだ難所が残っていました。メルセデスベンツの坂。
左にベンツの工場と運河、右に高速道路に挟まれた長い緩やかな上り坂が続くほぼ直線の側道。2年前にも悩まされました。


夜が明けて、景色が見えてきますが、走っても走ってもなかなか景色が変わらない直線。歩くと、また眠気が襲ってきました。右側の壁に当たりそうになって、目覚めて、再び歩き出す状態が続きました。





137kmの第23エイドに到着。残りは24km、ハーフマラソンと少しになりました。
時刻は、午前6時過ぎ。2年前よりは50分速いだけになってしまいました。
1時間40分あった貯金はあっという間に半分に。完走するにはまだ十分に余裕がありますが、心配された深夜、雨が降らず良い条件だったのにも関わらず、大きく失速してしまい悔しい気持ちになってきました。

せめて、28時間台でゴールしたいと思いました。



朝になり、長く続いた睡魔はここで、ようやくおさまりました。それでも、2年前は、ここからかなり頑張ったので、今回も2年前並みに走らないと29時間は切れません。

ここから、足の痛みをこらえて、走るようにします。



朝、爽やかな空気を感じ、前に進んでいきます。


走っていても、キロ10分以上はかかる状態で、なかなか前のランナーも抜くことができません。



142.7km 第24エイドに到着。スタートから25時間18分が経過していました。


このエイドを過ぎると、ベルリンの中心部のテレビ塔も見えるようになり、道も大きな道路の歩道を走ることになります。


歩道の路面状況は140km以上走った足には厳しく、我慢の連続です。


そして、この付近から信号が増えて、なかなかペースを上げることができません。


日曜の朝、人通りはまばらな中、ゴールを目指して走っていきます。





そして、シュプレー川にかかるオーバーバウム橋を渡ると、フィニッシュまでベルリンの観光スポットが目白押しとなります。


深夜に走られたランナーは、酔っ払った若者に絡まれそうになり、怖かったという話を聞きましたが、朝8時はとても静かでした。
ビール瓶は散乱していましたが。。。





橋を渡ると、イーストサイドギャラリーです。
ベルリンの壁が残っている数少ないスポットです。


昨年は修繕のため、柵がありましたが、今年はなくなって見やすくなっていました。





日本の作品や、大会の完走Tシャツのデザインにもなった作品など様々です。


少し、時間との戦いを忘れるひと時でした。


148.5kmの第25エイドに到着。残り13km。残すエイドは2つ。
今の状況では29時間切りはギリギリです。





この辺りでは、かなり歩いている人が多いので、徐々にランナーを抜き始めました。


ベルリンらしい建造物が立ち並ぶ中、石畳の歩道に苦しめられつつ、29時間切りを目指して走っていきます。





153.8km 第26エイド、チェックポイントチャリーに到着。27時間22分。
キロ10分だと、やはり29時間切りは微妙な状況です。


ここも、記念撮影スポットで、しっかり休憩したいところですが、飲み物など最低限の休息で再スタートしました。



信号待ちに悩まされつつ、ブランデンブルク門前へ


近づいて撮影したいところですが、時間もなく、最低限の撮影で進みます。



国会議事堂前を通過。石畳の道に苦しめられました。




ベルリン中央駅を横目に川沿いへ。石畳が多く、なかなか走れません。



そして、157.1km 最後の第27エイドに到着しました。
時間は、28時間15分。29時間切りは厳しくなりました。


そんな中、エイドのボランティアの方が、「残り4.6kmと書いてあるけど、実際は3.5kmだよ」と英語で話されました。

それだったら、29時間切りは可能かもしれないと思い、再び、力を振り絞って走り始めました。



ラストの道も、路面状況が厳しく、痛い足をこらえて、走ります。


しかし、なかなか、フィニッシュの運動公園が見えてきません。



赤信号で、足止めもありました。


29時間切りへアドバンテージが徐々になくなってきました。


たくさんの観光客や地元の人の応援を受けて、ようやく運動公園のメインスタジアムの照明塔が見えてきました。


残り3分を切って、時間との戦いです。最後、トラック一周することを考えると、ギリギリです。


そして、フィニッシュの陸上競技場が見えて、必死でスパートしますが、最終コーナーで29時間は過ぎてしまいました。
(どうやら最終エイドからフィニッシュまでは4.6km 距離表示通りだったようです。直線距離だと3.5kmぐらいですが、コースは基本ベルリンの壁沿いを走るので若干遠回りします。)



最後は、ゆっくりフィニッシュ地点をくぐって、3年連続の完走を達成しました。


29時間49秒。惜しくも29時間切りはなりませんでしたが、過去最高タイムでフィニッシュできました。

しかし、今回は、かなりの好条件で、全体的に1時間半以上記録が良いので、それを考えると、反省点が多い内容で、特に、深夜、眠気がなければ、30分ぐらいは良いタイムでフィニッシュできていたので惜しかったです。

それでも、現在のコンディション、今年の日程を考えたら、完走も難しいかもしれないと思っていたので、とりあえず完走できてよかったです。






フィニッシュ後も、やはりビールです。



そして、具沢山のスープも頂きました。





例年よりも好記録が続出した今大会も、8月13日(日)正午前に最終ランナーがフィニッシュして終了しました。

海外ツアー

その5へ続く

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マラソンの記録

【フルマラソン】

◆男子世界記録 2時間00分35秒 ケルビン・キプタム(ケニア) 2023年10月 シカゴマラソン (2分51秒5/km)

◆男子日本記録 2時間04分56秒 鈴木 健吾 2021年2月 びわ湖毎日マラソン(2分57秒7/km)

◆女子世界記録 2時間09分56秒 ルース・チェプンゲティッチ (ケニア) 2024年10月 シカゴマラソン (3分05秒/km)

◆女子日本記録 2時間18分59秒 前田穂南 2024年1月 大阪国際女子マラソン (3分18秒/km)

◆自己記録  3時間37分32秒 2013年12月 青島太平洋マラソン(5分09秒/km)


【100km】

◆男子世界記録 6時間05分35秒 Aleksandr SOROKIN (リトアニア)  2023年5月 Vilnius (LTU) (3分39秒/km)

◆女子世界記録 6時間33分11秒 安部 友恵 (日本) 2000年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (3分56秒/km)

◆自己記録 12時間13分41秒  2009年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン(7分20秒/km)

記録

【ハーフマラソン】
◆男子世界記録
 57分30秒 Y.ケジェルチャ(エチオピア) 2024年10月(スペイン・バレンシア)(2分44秒/km)
◆男子日本記録 1時間00分00秒 小椋 裕介 2020年2月(香川丸亀国際ハーフ)(2分50秒6/km)
◆女子世界記録 1時間02分52秒 レテセンベト・ギデイ(エチオピア)2021年10月スペイン・バレンシアハーフマラソン (2:58.8/km)
◆女子日本記録 1時間06分38秒 新谷仁美 2020年1月 米国・ヒューストンハーフマラソン (3:09.5/km)
◆自己記録  1時間37分12秒 2013年11月 江東シーサイドマラソン(4分36秒/km)